日産と大阪ガス、再エネ由来電力「日産でんき」を日産ディーラーで12月から販売開始
日産自動車と大阪ガスは9月5日、電気自動車(EV)を活用した電力事業分野で協業すると発表した。大阪ガス側が供給する再生可能エネルギー由来の電力を「日産でんき」として、一部の日産系列ディーラーで12月から一般家庭向けに販売する。また、ディーラーに設置しているEV用急速充電器に使用する電力の再エネ化にも取り組む。日産は電力会社との協業で、EVに不可欠な電力の環境負荷の低減効果を最大化する考えだ。 一般家庭向けは大阪ガスのグループ会社で保有している再エネ由来の電力の固定価格買い取り制度(FIT)発電所の非化石証書を活用し、実質的な再エネ100%の電力として提供する。同社は日産子会社の日産トレーデイング(石井毅社長、横浜市戸塚区)に電力を卸売りし、これを日産ディーラーが一般に販売する。 まずは、日産神奈川(髙木恵一社長、横浜市神奈川区)と日産部品中央販売(牛飼昇晃社長、東京都大田区)で取り扱いを始め、販売会社やエリアを順次広げる計画だ。料金プランは現時点で非公表。これまで日産ディーラーが独自に電力小売りを手掛けるケースはあった。今回は日産が電力会社とEVに適した電力プランを開発したことで、より多くのディーラーでEVと電力をセットで提案できる体制構築に役立てる。 また、ディーラーの急速充電器に使う電力については、2024年度内に大阪ガスが保有する非化石証書を全国の日産販売会社115社に提供。これを「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3」の会員が、急速充電に使用する電力に適用することで、温室効果ガスの抑制につなげる。