海外メディアは北京五輪開会式をどう報じたのか…短縮、壮観な光と氷のショー、奇抜な小さな聖火点灯…「ウイグル族最終聖火ランナーの政治的意味」
NBCニュースは「中国がシンプルだが見た目に素晴らしい開会式と、参加をボイコットする世界のリーダーたちに大胆なメッセージを送ることで2022年冬季五輪の幕を開けた」と伝えた。 最終聖火ランナーの1人が中国西部の新疆地域出身のウイグル人、クロカン選手のイラムジャンだったことを報じた上で、NBCの開会式中継にゲスト出演していたブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラムの編集長で、中国専門家のアンディ・ブラウン氏のコメントを紹介した。 「これは五輪に出席しなかったジョー・バイデン大統領に対する反撃で、中国が人権、もしくはその他の問題に対する“小言“は受けつけないとする西側諸国へのメッセージだった」 NPRは新疆地区では一部のウイグル人が拘置所に送りこまれ、釈放後にも工場で強制労働させられている現実を紹介している。 米ヤフースポーツは、さらに辛辣な論調で「五輪開会式が真実を明かした…中国は多くを隠している」との見出しを取って報じた。 「中国共産党が中国内外の視聴者へ向け、北京の空を照らす花火と同じくらい声高で明らかな政治的なメッセージで飾られた開会式を演出した」と記して、聖火の点灯式の場面を紹介。「外交団を送ることを拒否した米国、インド、英国、オーストラリア、カナダを含む多くの世界の主要政府に対して中指を立てる形となった」と皮肉を込めた。 一方で、開会式の演出そのものに関しての評価は上々だった。 USAトゥデイ紙は「まばゆい祝いで北京五輪大会が始まる」との見出しを取り、カナダのグローブ・アンド・メール紙も「政治的な影や新型コロナ禍の中での開会式は、驚くほど短かったが、技術的に壮観だった」とレポートした。また欧州をカバーするユーロスポーツも「壮観なライトショー、花火、最先端テクノロジーの披露による驚きの開会式」と評価。「1年延期された東京五輪と同じく新型コロナが大会へ影響を与えた。『鳥の巣』スタジアムは満員には遠く及ばなかったが、昨年の東京とは違い、『選ばれた』小さな観戦者グループが会場内にいた」と、開会式が有観客となったことを伝えた。 今回の開会式の特色を詳しく分析、紹介したのが、英ガーディアン紙だ。