「ジル サンダー」はカオスをノスタルジックに描く 「オニツカタイガー」から黄色が消えた!? 2025年春夏ミラノコレVol.2
村上:ミラノの一翼を担うには、レースを使ったランジェリーや、シースルー素材、ボディコンシャスなスタイルなどは欠かせないからね。得意のアーバンスポーツから、さらに守備範囲を広げようとしている印象を受けました。
木村:ショー終了後には、来場者みんながお土産のオニツカイエローのバックパックを背負って会場を後に。その様子が「オニツカ学校」の下校みたいで面白かったです(笑)。
あざとい!「N° 21」の
気だるいガーリーが可愛すぎる
村上:「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」は、その「オニツカタイガー」が目指すレースやチュールを使いながらセクシーを今っぽく表現するのが抜群にうまいし、可愛かったですね。「フェンディ」同様、こちらもガーリー路線。60年代の雰囲気を漂わせつつ、アレッサンドロ・デラクア(Alessandro dell'Acqua)らしい“気だるさ”のような、アンニュイなムードを漂わせます。コンパクトなジャケットに腰履きしたタイトスカート、ブラトップやブルマーにはベビードールドレスなシルエットのアノラックを合わせて、スパンコールのミニドレスで着飾る。大ぶりのパールネックレスに、リボン付きのぺたんこシューズ。それらが渾然一体となると、“あざとい”ほどに可愛い女の子の出来上がり!時代がクワイエット・ラグジュアリーから変わっていくのだろうムードさえ感じました。木村さんはどうだった?
木村:アレッサンドロは、外し方がうまいですよね。例えばパールのネックレスもデフォルメされているからレトロ過ぎずダサかわいいし、スモックパーカーもポケットがやたら大きくて、ビジューまでついてるからミリタリー過ぎずガーリー。疾走感のあるモデルの歩き方からも、我が道を行くかっこいいアティチュードを感じます。今シーズンはミリタリー×ガーリーの提案が多い気がしますが、その中でもやっぱり「N°21」は個性が際立っています。