先輩の高橋秀太が後輩の大橋昌彦に判定勝ち 東日本新人王Sフライ級決勝は12年ぶり同門対決
プロボクシングの第81回東日本新人王トーナメント決勝戦が3日、東京・後楽園ホールで行われた。ミニマム級からミドル級まで(スーパーウエルター級を除く。ライトフライ級とスーパーバンタム級は試合中止)の全10試合で実施され、スーパーフライ級5回戦は高橋秀太(23)が大橋昌彦(22)=ともに角海老宝石=に3-0の5回判定勝ち。12年ぶりの同門対決を制し、12月21日に同会場で行われる全日本新人王決勝戦に進出した。 最後は気持ちをぶつけ合って打ち合った。勝者の高橋はあまり喜ばず、敗れた大橋は高橋を素直にたたえた。 「勝てて良かったです。同門対決のやりづらさは特になかった」 寡黙な高橋はシンプルな言葉で試合を振り返った。1回に右フックで大橋をぐらつかせるなどパワーで上回り、接戦を制した。敗れた大橋はリング上で高橋に「試合前はいろいろ気を使っていただいてありがとうございました」と感謝を伝えた。2人とも同じような時間帯にジムワークをしていたが、対戦が決まってからは先輩の高橋が「闘う相手なんで、同じ時間に練習するのは嫌だった」と練習時間を早めていた。 2人は9月の準決勝で勝利すると、ともに決勝の出場を即決。角海老宝石ジムの鈴木眞吾会長は「うちは本人たちがやりたければやるよ」と認め、2012年11月に後楽園ホールで行われた東日本新人王ウエルター級決勝、糸山良太vs今野裕介(ともに角海老宝石)以来、12年ぶりの同門対決が決まった。 同門対決はルール上は禁止されていないが、近年は普通の試合ではまず行われず、トーナメント戦などで同門対決となってしまった場合にはどちらかが棄権することもある〝禁断の対決〟。2人は同階級にエントリーした時点で対戦を覚悟していた。 鈴木会長は控室のモニターで試合を見守り、「どっちも大きなけがなく終わったんで良かった。じゃんけんで決めようって言ったけど、2人とも(試合を)やるっていうから。同門対決は嫌ですね、やっぱり」と胸をなでおろした。 高橋は「全日本(新人王決勝戦)では倒したい」と、大橋の気持ちも受け取って頂点を狙う。
興行は動画配信サービスのU-NEXTで午後2時から独占生配信された。プロ戦績は高橋が9戦6勝(4KO)2敗1分け、大橋が6戦5勝(1KO)1敗となった。(尾﨑陽介)