田名網敬一の巨大インスタレーションが、世界初大規模回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」に登場。国立新美術館で8月7日から
世界初の大規模個展
8月7日から国立新美術館で開催される、田名網敬一の世界初大規模回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」。本展に、高さ約3.5mの新作インスタレーションが登場することがわかった。 半世紀以上に渡る創作活動を紐解くキーワードとなる「記憶」をたどりその全貌に迫る本展。立体作品、アニメーションに加え、60年代後半から70年代初めにかけて制作された貴重なグラフィックデザインやイラストレーション、80年代にかけて制作された極彩色の木彫シリーズのほか、近年スタジオで発見された最初期のポップアート作品も展示される。 本展のイントロダクションにあたる0章「生と俗の境界にある橋」には、田名網にとって重要なモチーフである橋を使った新作インスタレーション《百橋の図》が登場。田名網はこれまで葛飾北斎の《諸国名橋奇覧》(1833-34)や、幼年時代の遊び場であった目黒雅叙園にあった太鼓橋の絵、日本映画や演劇に登場する橋などから、橋にまつわる不思議な逸話や歴史に関心を持ってきた。近年、田名網はこうしたエピソードを背景に橋が主題の作品制作に取り組んでいるが、作家にとって橋とは生と俗の境界であり、今生と死後の世界を隔てる存在としても表されている。 新作は、橋が幾重にも渦高く重なり合う、高さ約3.5mのインスタレーション。そこにプロジェクションマッピングで投影された田名網が描く奇妙な生き物たちが歩き回ることで、まるで異界への入口のような存在感を放つ。同時に、新作となる屏風型のコラージュ作品もともに展示されるという。 500点ほどの作品が集まる本展が表す「記憶の冒険」とはどのようなものか。開催を楽しみに待ちたい。
Art Beat News