「13歳の妊婦」「ホストにハマるホームレス妊婦」…産んでも育てられない「特定妊婦」のヤバすぎる実態
Babyぽけっとのリピーター
「ほとんどが連絡がつかなくなってしまいますが、1割がリピーターとして、また戻ってきます。みんな2回目はもっと酷い状況になっているんですよね…。今までわかっている限りで、自殺してしまった子は2人。ずっと寂しかったのか『シェルターから帰りたくない』と言っていたのが印象的でした。特定妊婦には心が乾いている子も多いのが現実です。母と一緒にご飯を食べたことがない、親に『頑張ったね』『偉いね』と褒められたことがない。だから褒めてくれる、肯定してくれるホストに行ってしまう。この子たちがBabyぽけっとに来るのは、彼女たちだけの責任では絶対にないんです」 Babyぽけっとに頼る特定妊婦の全てがシェルターに入るわけではなく、自宅で出産するというケースもある。その際に大切なことが2つあるという。 「少し前に『少しお腹が痛いな』とトイレに行ったら、もう胎児の頭が出ていた…ということがありまして。妊娠したことはおろか陣痛にもおしるしにも気が付かず、前日まで普通に働いていたというのです。咄嗟に母親が胎児を取り上げて、胎盤と臍の緒を切って救急車を呼んで、病院から電話をいただいたのですが、こういう場合は産気づいたらすぐに救急車を呼んで、胎盤も臍の緒も切らないで欲しいんです。もし間に合わなかった場合も胎盤は捨てず、出産した様子を写真に撮る。汚いとか関係ない。全てが証拠となるので必ずそれはやってほしいです」 また救急車を呼ばずに最悪のことになった場合「胎児放棄」となり、逮捕されてしまう。
1人でも多くの妊婦と小さな命を守るために
「救急車を呼んでいるのと、呼ばなかったのでは全然違う。彼女の場合はじぶんで妊娠に気が付かず、母親が対処してくれたからよかったですが、もし妊娠に気がついていたけど『誰にもいえない』『保険証がない』と悩んでも、後からどうにでもなるのでまずは救急車を呼んでください」 また本人以外から「助けてください!」と、相談がくることもあるようだが岡田代表は「情報を得ることは大事なこと。連絡をください」と力強くいう。 「特定妊婦自身が『どうして良いのかわからない』と何も行動を起こせず、情報をシャットダウンしたまま出産し、子供を死なせてしまうことが1番問題です。間に合って、ちゃんと出産して特別養子縁組をすれば感謝されるのに、出産した子供を遺棄してしまったら犯罪者となり警察に勾留されてしまう。そうすると、家族に出産したこともバレてしまい、帰れなくなってしまうこともあります」 岡田代表は続けてこう語る。 「シングルマザーは『大変なのに偉いね』と褒められて、子供を養子に出した親は誹謗中傷される。そんな風潮が良くないです。子供がいくら欲しくても授かれない親はいる。逆に授かってもどうしても育てられない親もいる。そんな生みの親と育ての親をマッチングさせることで、救われて幸せに暮らせる命がある。何も批判されることではないし、外野がどうこういうことではありません」 取材日も生まれたばかりの新生児が眠っていた。とても可愛い顔で眠る男の子だった。彼は近日育ての親の元に行くことが決まっており、名前もつけらていた。 彼の母親がどんな事情があって、育てることができなかったのかはわからないが、Babyぽけっとに出会えなければ救えなかった命かもしれない…と思うと、胸が締め付けられた。 今後も1人でも多くの妊婦と小さな命が守られることを願うばかりだ。 さらに続きとなる記事<「子どもを産みっぱなし」で施設に預けておきながら、「他人にあげるのは嫌」と養子に出すことも拒否…それでも親を待ち続ける子どもたちの痛ましい現状>も、ぜひご覧ください。
吉沢 さりぃ(ライター兼底辺グラドル)