水がある準惑星「ケレス」、有機物に富む可能性–内部に多量に貯蔵か
米航空宇宙局(NASA)の運用を終了した探査機「Dawn」(ドーン)のデータから準惑星「Ceres」(ケレス)の内部に有機物が多量に含まれている可能性が示唆されている。 Ceresは火星と木星の間にある小惑星帯に位置する、幅930kmを超える準惑星だ。Dawnは2007年に打ち上げられ、小惑星「Vesta」(ベスタ)とCeresの接近探査をそれぞれ2011年と2015年に実施した。 スペインのアンダルシア天体物理学研究所の研究者らはDawnのデータを使い、Ceresで有機物が豊富に存在する11カ所を特定した。研究チームは同天体の内部に有機物が貯蔵されていることを指摘している。 「Ceresのように遠く離れた、一見不活性な場所に有機物の貯蔵庫があるという考えは、太陽系の他の天体も同様の条件が存在する可能性を示唆している」と、チームリーダーのJuan Luis Rizos(フアン・ルイス・リソス)氏は述べている。 Ceresは地球に次いで、水が豊富な天体として考えられている。DawnはCeresの「Ernutet」クレーター付近で有機化合物を検出した。「間違いなく、近い将来に新たな探査機がCeresを訪問することになるだろう」(Rizos)
塚本直樹