明治大から「仮面浪人」の道へ 小遣い10万円で受験、早稲田大にリベンジ合格した秘訣は?
合格した大学にひとまず入学しつつも、受験に再チャレンジすることを「仮面浪人」と呼びます。仮面浪人の1年間とは、どのようなものなのでしょうか。仮面浪人を経て、現役時代に第1志望だった大学に合格した郡山結希さん(仮名)に、その体験を聞きました。(写真=Getty Images) 【表】現役時代の受験校と合否(順不同)
出願しすぎて、対策が手薄に
――まずは現役時代の受験について教えてください。 なんとなく興味がある大学や学部をたくさん受験しました。まずは、日本大学の全学部統一試験*を受けました。さらに個別試験で日本大学の経済学部と商学部、産業能率大学の経営学部、法政大学の経営学部、中央大学の商学部、明治大学の経営学部と情報コミュニケーション学部、そして早稲田大学の教育学部と商学部と社会科学部、慶應義塾大学の商学部と法学部。トータル13ですね(笑)。 *1回の試験で複数の学部の合否判定をしてもらえる入試方式 合格可能性を一つでも増やしたい一心でしたが、連日の受験で疲労感がすごかったし、受験料だけで30万~40万円かかりました。祖父母に支援してもらったものの、多すぎですよね。今考えると、とにかく大学名を重視して選んでいたところもありました。もともと目指していたのは、国立の難関大学だったのですが、厳しそうなので私立大に変えたという経緯もあり、私立大の中でもトップを狙いたいと思ってしまいました。就職にも強く、知名度が高い慶應義塾大学の法学部を第1志望にしていました。 ――結果はどうでしたか。 慶應義塾大学商学部の入試で、問題用紙をめくった瞬間に「ダメだ。学部別の勉強がぜんぜんできていない」と気づきまして……。第1志望だった慶應義塾大学と早稲田大学は全学部とも不合格。ほかの大学はすべて合格して、明治大学の情報コミュニケーション学部に入学しました。ただし、この時はまだ自分が仮面浪人をするとは1ミリも思っていませんでしたが。 ――仮面浪人を考えるようになったのはいつですか。 入学してすぐの2021年春ごろ、コロナ禍でほとんどの授業がオンラインになったのがきっかけです。家で時間をもてあましているうちに、時間もあるから、また受験勉強をしてみようかなと思いました。サークルに入るタイミングも逸してしまったし、やることもないし。身近に仮面浪人を成功させたいとこがいたこともあって、「自分も行けるっしょ」という軽い気持ちでした。 最初は親には言えずにいましたが、親には「子どものことを察する力」みたいなのがあるじゃないですか。それで、6月くらいにはバレました。経済的な援助はしないことと、大学の授業はきちんと受けるという約束で了承してもらいました。