暑さに強い体を作るのに必要な3つの栄養素 熱中症になったときの対処法も 医師が解説
暑くなってきたら水分摂取を意識しよう
暑くなってきたら、併せて水分摂取を意識しましょう。ただし、注意点があります。それは「水だけ」を摂取しても意味がなく、むしろ危険ですらあるということ。塩分であるナトリウムなどを適度に摂取しつつ水分補給をしないと、体内に水が吸収されにくく、さらに残りにくいためです。 また、水だけを多量に摂ると、体内の塩分濃度が極端に下がってしまうことでいわゆる水中毒となり、低ナトリウム血症を起こすリスクがあります。逆に塩分のみで水分を摂取しないことも、水分の実質的な補給につながらずに危険です。塩飴や梅干しを摂取するときには、1つにつきコップ1杯の水分を併せて摂りましょう。 汗をかくと、水のほかに電解質やビタミンも失われ、脱水症の原因になります。水と併せて電解質であるナトリウム、カリウム、マグシウムとビタミンB1を摂ることも重要ですし、加えて前述の暑熱順化を意識した栄養素も積極的に摂るといいでしょう。
熱中症かも? まずやるべきこととは
めまいや顔のほてり、筋肉痛や痙攣、だるさや吐き気など、「熱中症かも?」と疑うような症状がみられたら、汗で失われた電解質とともに水分をたっぷり摂ることが大切です。水、ナトリウム、カリウムを迅速に、適正濃度で摂取できる「経口補水液」をできるだけ早い時期に多めに飲みます。 水分補給をする際、牛乳やアミノ酸飲料などは避けましょう。含まれているたんぱく質が、体温をさらに上昇させてしまうことがあるからです。 万が一、ペットボトルのフタを自力で開けて飲めないくらい重症の場合は、すぐに病院を受診しましょう。 症状が軽度の場合は、風邪などのウイルス感染や貧血など、何が原因で体調が悪いのかがわからないものですよね。谷口先生によると、経口補水液を飲んだあと、ほどなくして症状が改善したら、脱水症による体調不良であった可能性が非常に高いそうです。 経口補水液は、小腸から最も水分が吸収されやすい割合で、水・塩分・糖分が配合されている飲料です。もし、経口補水液を1000ミリリットルほど飲んでも症状が改善せず、咽頭痛や発熱が残るときは、別の病気の可能性があります。その場合も、速やかに病院で診てもらいましょう。
Hint-Pot編集部