罪悪感を手放して「自分の時間」を楽しむには?忙しい母親が身につけるべき“孤立のスキル”
私は一人で過ごす時間に幸せを感じるタイプ。一人でカフェで食事をしたり、一人で美術館を巡ったり、一人で旅行するなんて考えただけでパニックになる人もいるだろうけど、私はこうした時間が楽しくて仕方ない。ただ自分が楽しむために、自分がしたいことをして過ごす時間。 【写真】家族よりもセルフケアに重きを置く?良い母親になるための秘訣 とまぁ、これは昔の私の現実で、今では2人の子ども(息子が9歳、娘が6歳)のママをしている。ひとりになれる機会はそうそうない。 30代後半になり、ますます一人の時間に焦がれるようになった。家事や身の回りのことが一段落したあとの自由な時間は、ほとんどがママとしての時間。静かな部屋で読書をしたり、泡風呂にゆっくり浸かろうとしても、「ママぁぁー!」と叫ばれ中断されるのが当たり前。 でも、私が一人で静かに過ごしたいという切望は、最高の健康状態を維持するために欠かせないことだからかもしれない。私はこれまで、一人で過ごす正当な理由を得るために、森やプールやジムに逃げなければならなかった。 誤解しないで、私は家族や友達と過ごす時間を大切に思っている。でも、一人の時間を定期的に持てなくなると、まるで小さな檻に閉じ込められたような気持ちになる。そして私は短気になって、一人になりたい理由を理解してくれない愛する人たちに当たってしまう。
一人になることはいいこと、これは事実!
だから、「一人でいることがメンタルヘルスにいい」と発表した最近の研究記事を読んだとき、私は本当に嬉しかった。学術誌『Scientific Reports』に掲載されたこの研究では、レディング大学の科学者が、178人の成人に3週間毎日日記を書くように指示を出した。その内容は、一人で過ごす時間と人と交流する時間について書き、自立心、ストレスの度合い、孤立感、生活の満足度も併せて記録するというもの。 その結果、自発的に過ごす一人の時間は、ストレスを和らげ、自由という感覚をもたらしてくれることがわかった。でも、こうしたメリットを得られるのは、「一人でいることが孤独に感じない」タイプの人に該当することを研究者は明確にしている。自ら一人で過ごすことを選択した場合はプラスになるけれど、パンデミックのロックダウンのように外部から孤立を強いられた場合は言うまでもなく、一人の時間が孤独感を増大させることになる。これは、喫煙、飲酒、運動不足と同様の健康リスクをもたらす可能性もあるとのこと。 一人でいることが好きな私にとって、一人の時間を過ごす健康上の重要性を科学が証明してくれたのはありがたい。実際、私は私の家族が大好きで、子どもたちのふざけたジョークを聞いているだけで日々幸せを感じている。いつか子どもたちが、私と一緒に過ごしたがらなくなる日が来ることだって理解している。それなのに、どうして今も私は一人の時間を求めてしまうんだろう? 「どんなに大切な関係でさえも、一時的に距離をとり、一人になりたいと思うのはごく普通のことです。これは、社会的な関わりと個人的なスペースのバランスを取りたいと望む、私たちの本能的な欲求から来ているものです」と説明するのは、コンサルタント心理学のエレナ・トゥローニ博士。 「充電する時間、内省する時間、セルフケアをする時間は誰にとっても必要なもの。こうした一人の時間は、自分が自分でいられる感覚や新たな趣味の探求、自分の考えや感情を整理する機会を与えてくれます」 トゥローニ博士いわく、彼女を含め内向型の人は一人の時間を持つことで心を充電できるため、他者と過ごすことで元気をもらえる外向型の人よりも、一人の時間を自然と楽しむことができる。両向型の人は、自分なりのバランスの取り方を学ぶことが大切。 とはいえ、家族の責任が絡むと一人の時間を持つのが難しくなる。「育児には多くの時間と注意力が必要なので、一人で過ごす機会はどんどん減っていきます。そのため、心に余裕がなくなったり、自由を失った感覚に陥ることがあるんです」と話すのは、ライフコーチのクレア・エルムス。家族に対する責任感と一人の時間の不足が組み合わさると、一人になりたいと声を上げる人が多くなる。