横浜DeNAの連敗を止めたプロのメンタル
外国人2人が大活躍
ゴールデンウイーク初日のハマスタは2万9千人を超える超満員だった。4月28日、横浜DeNA対阪神。 観客動員のための横浜DeNAの営業努力は素晴らしく、この日は、始球式に登場したカップルが、ガチでお客さんの前で公開プロポーズをして成功するという“サプライズイベント”が用意されていて、プレーボールを待つファンを喜ばせた。しかし、プロのスポーツビジネスにおいての究極のファンサービスは勝利しかない。 4連敗中だった。その初回、いきなりヒットで出塁した先頭の石川が、牽制球で刺された。すると、私の後ろに座っていたファンが大きな声で叫んだ。 「また草野球を見せるつもりか。勝つつもりあるのかよお」 「また草野球」とは、前夜のお粗末すぎる、落球やベースカバー忘れという凡ミスを示唆していた。私は、ハマスタの観客席に座りながら、つくづくプロ野球とはメンタルの戦いなのだと思い知らされた。負けが込むと、どうしても負の連鎖が起きる。ピッチャーは、もう負けられないというプレッシャーから腕が縮み、野手にはミスをしてはならないと余裕がなくなり、逆にとんでもないミスを引き起こす。だが、この日の、横浜DeNAには、負のプレッシャーをなんら感じることのないプロフェッショナルが2人いた。 先発した新外国人のモスコーソと、6番のバルディリスの助っ人コンビである。石川が逆を突かれて牽制死したが、荒波がヒットで出て、連続四球で満塁となったところで、バルディリスの走者一掃となる一打が、三塁線を破った。「負けているチームの雰囲気を変えたかった。積極的にスイングをした」。オリックスから移籍してきた6番打者は5回にもタイムリーを放っている。 前夜は、試合後、しばらくベンチを動かなかった。「悔しかった。たくさんのファンが来てくれたのにミスが重なった。でも負けていいなんて思っている選手は一人もいない」 2番手の大田が無死一、二塁と走者を背負うと、真っ先のマウンドに行った。「点差がある(5点差)。ホームランを打たれてもいいじゃないか。自信を持って積極的にストライクを投げて行こうぜ!」 大田は、福留を外野フライに、続く鶴岡との元同僚対決は、三塁ゴロ。バルディリスが、そのゴロをさばき、三塁走者のマートンと三塁を狙った新井良の2人を殺した。