横浜DeNAの連敗を止めたプロのメンタル
まだ消えない不安
巨人でV9を成し遂げた故・川上哲治氏は、その著書で、いかに執念というチームメンタルが勝敗につながるかということを書いているが、優勝をするチームも最下位のチームも一人ひとりのプロとしての技術はそう変わらない。絶対的な戦力差と、監督、コーチのゲームマネジメント力や、試合に向けての準備の手法が、長いペナントレースを左右していくことは間違いないが、1試合、1試合を見れば、メンタルが大きく影響する。 しかし、この勝利で、すべての不安要素が取り除かれたとは言えない。一塁コーチだった小池正晃打撃コーチをベンチに配置転換。「去年までの打撃コーチがベンチにいるという形に戻した」(中畑監督)と、打線を復調させるための手を打ったが、難しいボールを振ることが目立った。 頼りのブランコの復帰も5月下旬の交流戦に間に合うかどうか。4連敗を抜け出したが、それは、プレッシャーを知らない外国人選手2人の活躍だったこともあって、今季、まだ6度しか勝利の味を知らないチームのメンタルは、1勝くらいでは、劇的には変わらないだろう。「次のカードの頭が大事。先発に勝ち星がついて連勝できれ自信につながる。集中していかないといけない」とは、中畑監督。29日の中日戦で、どんな戦い方をするかが、横浜DeNAが、どん底を抜け出せるかどうかのキーポイントになる。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)