「音に神経質すぎて生きづらい。改善法は?」吉川めいさんのお悩み相談室
相談:「音に神経質すぎる自分。どこに行っても生きづらいです。改善方法ってありますか?」
ご質問ありがとうございます。そして、生きづらさを感じているとのこと。辛い中でも、こうしてめげずに新しい糸口を探してくださりありがとうございます。 【写真】ストレスを感じている「10のサイン」 間接的に聞こえるかもしれませんが、私がヨガや瞑想のトレーニングで学んできた「意識の法則」と「五感の感覚」についてシェアさせてください。まずは2つのパートに分けて解説し、後に合わせていきたいと思います。 ▼吉川めい ヨガマスター Veda Tokyo主宰、ウェルネスメンター。日本で生まれ育ちながら、幼少期より英語圏の文化にも精通する。母の看取りや夫との死別、2人の息子の育児などを経験する中で、13年間インドに通い続けて得た伝統的な学びを日々の生活で活かせるメソッドに落とし込み、自分の中で成熟させた。ヨガ歴22年、日本人女性初のアシュタンガヨガ正式指導資格者であり『Yoga People Award 2016』ベスト・オブ・ヨギーニ受賞。adidasグローバル・ヨガアンバサダー。
① 意識のフォーカスを当てたものが強調される
瞑想やマインドフルネスなどで心の働きを研究していると浮き彫りになる、意識の働きのルールがあります。それは、「意識のフォーカスを当てたものが強調される」ということです。 つまり、人は自分が注意力を向けたものに意識のスポットライトを当てているようなものだ、ということです。意識の焦点を定めたものが大きく見えたり、最も大切なものとして捉えられるのです。この働きを説明する時、私はよく一眼レフカメラを例に挙げます。カメラのレンズを目の前の手に向け、指先にピント(フォーカス)を合わせたら、指や爪、関節の細かな皺や線などがよく見えるでしょう。この時、背景にあるテーブルや床。部屋にある観葉植物などはなくなった訳ではないけれど、ぼやけていて、無いに等しく、大して認知されません。 カメラの向きを変えずに、そのままレンズのピントだけを変えてみたらどうでしょう。そこに映し出されるものは変わらないはずですが、フォーカスの焦点を背景にある植物に当てたら、今度は近くにある手の方がぼやけ、スルーされるように、植物の方が鮮明に認知されます。似たように、人の意識においても、注意力を向け、フォーカスを当て続けたものが強調されるように捉えられるものなのです。 また、意識の作用には「否定形」はありません。だから「そのほくろのことを考えないでね」と言うと、「考えないで」と否定形で言ったにも関わらず、むしろほくろに注意力を向けてしまったことでフォーカスを当て、ついほくろのことを考えてしまうというものなのです。