「1時間10分ごとに5分離席しますね、トイレですか?」リモートワークでの“過剰管理”に恐怖 しかしほかの部署はもっと大変で…
リモートワークやコアタイム出勤、ユニークな有給制度など、新しい働き方が次々と広まり、自由な働き方を得る人が増えている一方で、遠隔勤務を可能にした技術や管理ツールの登場で「監視&管理がどんどんキツくなっていく…」という声も聞こえてきます。中には「いくら何でもやりすぎなのでは!?」というケースもあります。 【漫画】5分の離席に「トイレですか?ちょっと長いですね」…なに、この無駄な監視の目!(全編を読む)
最初はうれしかったリモートワーク
Aさん(関東在住、40代、経理)は小学校低学年の子どもを持つ会社員。経理として長年同じ会社に勤務してきました。コロナ禍をきっかけにして、会社にリモートワークが導入され、そのタイミングで時短勤務からフルタイムに復帰。週に2~3回のリモートワークを申請して働いています。 通勤時間の負担を抑えられること、週に半分は子どもの帰宅を家で迎えてあげられることで、子育てと仕事のバランスを上手にとれている…と考えているものの、Aさんには疑問に感じていることがあります。 それは、テレワーク開始と同時に導入された「PC監視ツール」の存在です。 当初会社からは「勤怠管理として、勤務開始時刻と残業の時間を記録します」とだけ説明を受けていました。 ところが実際に運用が開始されてしばらくすると、上司からこんな言葉をかけられるように。「Aさんはいつも1時間10分すると、かならず5分ほど離席しますよね。何かルールでも決めています? トイレですかね? その場合、ちょっと長い気もしますけど」 確かにAさん、出産後トイレが近くなった自覚はあります。しかし、監視ツールでトイレに行く回数や時間をチェックされていたのかと思うと、ゾッとしてしまったそうです。
「社員の業務を見える化」がすべて裏目に
トイレの回数について指摘されるなんて…もしかしたらこれってセクハラでもあるのでは? と思いつつ、営業部署にいる後輩社員にも話を聞いてみることに。すると、はからずも、より深刻な愚痴を聞くことになってしまいました。 「営業はどっちかっていうと、『営業管理ツール』が入って負荷がすごいですよ…。営業にかける電話の本数どころか、先方の発言内容や、1本あたりの時間など、入力項目が今までExcelに入力してた時の3倍になっちゃって」 後輩は怒り心頭です。 「入力している時間も手間も半端じゃないのに、入力した情報を何かに活用してるかっていうと、何もやっていなくて…。ただ入力させて満足してるとしか思えないですね!」 さらにAさんの頭を悩ませているのが、最近新たに導入された「One on Oneミーティング」。なぜか直属の上司だけでなく、会社横断的にコミュニケーションを取ろう!という号令の下、他部署の上司とも時々セッティングされ、そのたびに規定の30分、ミーティングと称した「気まずい時間」が流れるのだそうです…。 会社が次々に繰り出す「社員の業務を見える化し、モチベーションを高めよう!」という取り組みですが、なぜかすべて裏目に出ているようです。Aさんは転職という言葉が脳裏にチラつく日々を送っています。