「少数与党」下で独自の存在感をアピールする公明党 “選択的夫婦別姓”めぐりカギ握る立場に
2025年1月2日。新年の寒空の下、JR池袋駅の前には人だかりが出来ていた。 そこで行われていたのは公明党の演説会だ。公明党は毎年1月2日に都内で街頭演説を行うことが恒例となっている。 【画像】1月2日に街頭演説!公明党斉藤代表 この日の聴衆の視線の先には11月に公明党の新代表に就いた、斉藤鉄夫氏(72)の姿があった。
波乱の末に就任した斉藤新代表 新年の訴えは
公明党では去年9月、15年間に渡り代表を務めた山口那津男参院議員(72)が党内の世代交代を図るため代表の座を退き、後任として石井啓一元国土交通相(66)が代表に就いた。 しかし自民党の石破茂総裁(67)が総理就任直後に打って出た解散総選挙では、政治とカネの問題で自民党が逆風を受けた。 連立を組む公明党も逆風のあおりを受け、自民党が非公認とした“不記載候補”に公明党が推薦を出したことも支持者からの批判を招いた。 その結果、公明党は公示前の32議席から8議席減らし、埼玉14区から小選挙区単独で出馬した石井代表も落選するという惨敗に終わった。 そして石井氏は代表就任からわずか1カ月あまりで辞任を表明し、後任の代表選びが行われた。 党内では当初は世代交代を打ち出すために岡本三成衆院議員(59)を推す意見もあった。 しかし議席を減らした危機的状況にあって、他党と豊富な人脈を有する「安定感のあるベテラン」を望む声も高まる中、党関係者によると岡本氏は政調会長を続けたいとの意向を示し辞退。 最終的に、山口元代表と同い年である72歳のベテラン、斉藤氏が代表に就任した。 その斉藤氏が代表として初めて迎えた新年の演説会。斉藤氏は「今年は巳年。巳年の意味は変化と成長ということだ。公明党は結党60年を過ぎ、新しい再生の道をスタートした」と新年の意気込みを語り、党として「日本経済の安定」「防災減災対策」「平和」の3つの方向性を打ち出した。 3つの方向性と言えば、石破首相は年頭所感で「外交・安全保障上の課題への対応」「日本全体の活力を取り戻すこと」「治安・防災へのさらなる対応」の3つの課題に取り組む意向を表明した。 斉藤氏が挙げた3つは、石破首相の方針と同じ方向性を示しつつ、公明党流の言葉で表現したものとも言えそうだ。 斉藤代表はさらに、「今年は2月に予算審議の途中にいろいろな修正等があり得るのかもしれない。そういう協議にもしっかりと誠実に真摯に対応していきたい」と、予算案の修正の可能性に言及するなど、公明党としての独自の立ち位置をにじませた。
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