16歳で抱かれた既婚女性と別れられない…アラフォー男性が落ちた、甘く悪い恋
週刊コミック誌の編集部を中心に、出版業界に関わる人々をリアルに描いた大ヒット作『重版出来! 』。著者の松田奈緒子さんの最新作である『非合法ロマンス』第1巻が6月13日に発売に! 【漫画を読む】16歳で抱かれてから忘れられない…1人の既婚女性と離れられないワケ 松田さんが新作のテーマに選んだのは、42歳・独身の憲法学教授が溺れる、“甘く悪い恋”。彼はなぜ、終わらせないといけない恋をやめられないのか、そんな時に脳では何が起きているのか――。脳科学本を多数出版し、感性研究の第一人者としても知られる黒川伊保子先生にうかがったお話を、主人公の恋の行方とともにご紹介します。
誰もが認める“いい男”が抱えるヤバい秘密
まずは簡単なあらすじからご紹介します。 主人公は42歳・独身、女子大で憲法学の教授として働く門馬太郎(もんま・たろう)。ルックスよしスペックよし、知的でやわらかい雰囲気とミステリアスさを併せ持つ彼は学生たちから大人気! バツがついているわけでもなく浮いた噂もない彼について、「ヤベェ ヘキでもあるのでは…」と妄想する人も出てきますが、今のところその気配はなし。それどころか彼には20年以上想い、逢瀬を続けている間柄の女性がいます。そう、むしろピュアなのです。 ただ、その恋には一つ大きな秘密があります。それは、相手の女性は太郎が16歳で入院した時の担当医で、家庭があるため“不倫”関係だということ……。 果たして太郎の心をとらえて離さないのは甘い初恋か、それとも悪い恋なのかーー。
悪い恋はやめられなくて当然
太郎は16歳の時に抱かれた既婚女性の怜(れい)に恋をし、一度は別れるも成人してから再会。“呼ばれたら体を重ねる”関係が始まります。この関係にうしろめたさを感じる気持ちが0ではないように見える太郎。 彼に限らず「この恋を続けていてもしょうがないのにな……」「いっそ別れたほうが幸せかも」と思いながらもパートナーとの関係を続けている人は多いはず。でも、頭ではやめなければ……と思っている恋をやめられないのはなぜなのでしょうか。 黒川伊保子先生(以下、黒川):ご存知の方も多いと思いますが、発情するのは脳の本能の領域です。一方で“悪い恋だから止めなきゃ”と思うのは脳の思考領域です。まったく違う回路を使い、しかも本能の回路は思考回路に優先されるので、やめられるわけがないんです。 「甘いものは食べちゃいけないとわかっていても、どうしても止められない」 「宿題をやらなきゃいけないとわかっていても、どうしてもやる気になれない」のと一緒ですね。 つまり脳としては当たり前の働きで、コントロールできるものでもないということ。でも、ここでもう1つ疑問がわいてきます。