米国、キューバの国交回復はメジャーにどういう影響を与えるのか
1961年の国交断行から54年の歳月を経て、米国とキューバの国交が回復した。ワシントンではこの日、大使館の再開を記念するセレモニーが行われ、国務省では米国のケリー国務長官とキューバのロドリゲス外相が共同記者会見を行い、世界にアピールするなど歴史的な1日となった。 両国の国交回復は、メジャーリーグにどんな影響を与えるのだろうか。今季、セリグ前コミッショナーから同職を引き継いだマンフレッド新コミッショナーに、キューバとの国交正常化がメジャーリーグに与える影響について聞いてみたことがある。 「両国の国交正常化は、球界にとって偉大な機会を与えることになると思う。我々にとってポジティヴな成長をもたらすものになるだろう。 例えば、国交が回復すれば、キューバの選手は直接米国に来て、その後もプレーするなり母国に戻るなりできる。また、キューバ市場に乗り出すことは、我々にとって経済的な観点からしても新たな機会増大となり、更なる柔軟性を与えることになる。キューバは野球が文化に根差している市場であり、そういう地域で我々は非常に成功している」 コミッショナーは国交正常化に伴うキューバ市場の開放を大歓迎。日本など野球の盛んな諸外国で大リーグが人気を博してきた実績から、新たな市場拡大に自信満々だ。 ドジャーズのプイグ外野手は7年総額4200万ドルの大型契約を結んだが、密輸船で亡命した際には麻薬販売を担う犯罪組織が背後で綱を引き、関係者が殺されるという物騒な話が地元紙に掲載された。これも全て国交がないために、非合法で入国せざるを得ない現状が産み出したものだったが、今後はそういったトラブルは大きく回避でき、クリーンな形でキューバ選手を獲得することが可能になる。 二度と母国の土を踏めず、家族と永遠に決別するリスクを負っていた選手にとっても、メジャーの舞台はずっと身近なものになるだろう。