設立21年目も最先端のセキュリティサービスで安全なデジタル社会を構築--カスペルスキー・小林社長
2025年に向けたIT企業のトップメッセージを紹介する。 カスペルスキー 代表取締役社長 小林岳夫氏 2024年は、日本事業所の設立20周年を迎えた節目の年となりました。ひとえに、当社製品とサービスをご愛用いただいているお客さま、パートナーさまの温かいご支援があってこそと改めて深く感謝申し上げます。 さて、2024年もランサムウェアやフィッシング詐欺の報道を目にすることが多い一年でした。 当社が2023年に収集したフィッシングメールを特定の条件下で分析したところ、21%がAIによって生成されたメールであるとの結果が出ました。個人情報などの詐取のほか、ランサムウェアや企業への不正侵入のきっかけにもなるフィッシングメールは、本物かどうかを見分けることがいっそう難しくなるでしょう。引き続き、個人も企業も常にサイバー犯罪、攻撃に遭う可能性があるとの認識を持ち、ご自身にとって大切な情報を守るために対策をお願いしたいと思います。 2025年は、法人事業においては、高度化するサイバー脅威からお客さま企業をいっそう保護するため、2024年5月に発売を開始した「Kaspersky Next」シリーズのさらなる拡販を進めてまいります。Kaspersky Nextは、第三者評価機関のテストでランサムウェアの検知・ブロック100%の実績を持つ最先端のエンドポイントセキュリティ機能に加えて、製品ライン全てにEDR(Endpoint Detection and Response)機能を搭載しており、ビジネスニーズやインフラの複雑さ、利用可能なリソースなどお客さまの条件に応じた最適な製品を選択することができます。 サイバーセキュリティ人材に求められるスキルが多様化、細分化し人材不足が課題となる中、2024年は、既存のサイバーセキュリティの専門家向けオンライントレーニングシリーズ「Kaspersky Expert Training」(xTraining)をパートナー様経由で提供を開始しました。最前線で活躍する当社のリサーチャーが、専門知識を生かしてトレーニングコースを設計しています。2024年は、270人を超える国際刑事警察機構(インターポール)の捜査官も受講し、実務に役立つオンライントレーニングとして高く評価しています。当社ならではの専門家向けトレーニングとして、キャンペーンなどを通じ認知拡大を図ってまいります。 コンシューマー事業では、さまざまなニーズにお応えできる18種類のポートフォリオとサブスクリプション型のサービスをより多くの個人のお客さまにご利用いただけるよう、いっそうマーケティング活動にも注力してまいります。 生活インフラの一部となったインターネットの利用には、トラブルやサイバー犯罪に巻き込まれるのを避けるために、セキュリティリスクを見極めるスキルがますます重要になっています。当社では、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、静岡大学、鹿児島大学と共同で小中学生、高校生、シニア向けの情報セキュリティ教材を開発し無償で提供しています。引き続き、皆さまが安心・安全にインターネットを利用できる判断力を培えるような教材開発に取り組んでまいります。なお、2025年前半には新しい教材を提供できる見通しです。 当社はグローバル全体の社員約5000人の半数が研究開発に従事しており、日本を含む世界中のサイバー攻撃を調査、分析し、結果を公開するとともに、製品の防御力向上に生かしています。最先端の技術とサービスでお客さまの重要な資産を守り、インターネットの利便性を享受していただけるよう、社員一同尽力してまいります。 また、日本市場においてビジネスを20年継続してきた実績と経験を活用し、パートナーさまのご支援の下、21年目となる2025年も製品とサービスを愛用していただけるよう取り組んでまいります。