野茂から上原に継承されているもの
米国全米スポーツネットESPNが20日(日本時間21日)、レッドソックスの本拠地ボストン・フェンウェイパークで行われたレンジャース戦を生中継。その中で、アジア特集を組み、日本と韓国の野球事情を詳しく紹介。野茂英雄投手(元ドジャーズ)から上原浩治投手(レッドソックス)に受け継がれる日本人メジャーリーガーの軌跡を報じた。 初回が終了した後、突如三味線のBGMが流れ、1995年に大リーグにセンセーショナルなノモマニア現象を巻き起こした野茂、が当時の映像や記録などと共に紹介された。この日のコメンテーターを務めたダグ・グランビルは、カブスやフィリーズ在籍時代に野茂と対戦しており、通算対戦成績は22打数6安打1打点。打率は.273だった。 「まず、あのトルネードと呼ばれたフォームに対応するのに苦労した。ぐっと後ろ足に全体重が乗ってそこからクルリと体が回る。今までに見たことのないフォームだったからね。それに加えて落差のあるフォーク。お手上げだったよ。そして、シーズンの途中からクイックで投げることもやっていた。非常にクレバーな投手だった」と懐かしそうに回想した。 “トルネード”が米国球界に衝撃を与えてから、実に20年。野茂が先鞭をつけた足跡をたどって、幾多の日本人選手が海を渡ってきた。近年はレッドソックスの松坂大輔(ソフトバンク)、藤川球児(レンジャースを自由契約)ら注目選手が、手術に至る大きな故障を抱えて期待に応えきれないケースも増えている中、レッドソックスでは、中継ぎの田沢純一投手、抑えの上原の日本人コンビが大活躍している。 田沢&上原の“勝利の方程式”は「ジャパニーズ1・2パンチ」と称され、ブランビルコ・コメンテーターは試合前に上原をインタビュー。田沢との関係を尋ねられた上原が、「センパイとコウハイなので、もっとリスペクトを示して貰いたい」とユーモアを交えて語り、次世代を担う将来の日本人メジャーリーガーのためにも「しっかり日本人が成績を残して、日本人は怪我ばかりするというマイナスなイメージを残さないように頑張らないといけないと思っています」と、元気で強靭な40歳をアピールした様子を伝えた。