「お前の銀行にいくら預けてると思ってるんだ!」と凄むカスハラ客に、メガバンク行員が思わず言ってやりたい「ひと言」
● 「敬語のひとつも話せない無能女」 口コミで名指し批判された行員 「お客様は神様ですぅー!」 【この記事の画像を見る】 子供の頃に聴いた、三波春夫さんが曲の合間に叫ぶ例のセリフである。三波春夫さんにとって、レコードを買ってくれた人、コンサートに来てくれた人は、自分にとって正に神様だろうが、カスハラまがいのクレーマーたちは、このセリフを伝家の宝刀のように悪用する。 「課長?これ見てくださいよ」 ある日、私の部下・向坂さんがスマホを差し出した。 「M銀行みなとみらい支店…何だこれ、うちのGoogleマップじゃないか」 「その後の口コミのところ、読んで下さいよ!」
「『総合評価2.9』…低っ」 「あー、もう!コメント欄ですよ!」 「ああ、これか…『3番窓口にいつも座っている向坂って女。こいつはひどい。こっちは客なのに、敬語のひとつも話せない無能女。こんなヤツを採用したM銀行採用担当の顔が見たいわ』。ひどい言われようだな」 私たちは、左胸に名札をつけなければならない。電話に出れば名乗らなくてはならない。自分の名前を見知らぬ相手にさらけだす行為に、抵抗を感じる行員も少なくない。 敬語が使えないのであれば、社会人としての基礎がなっていないということだ。社員教育の不行き届きを批判いただければ、しかるべき立場の者がしっかり謝罪し、真摯(しんし)に受け止めて改善するのが組織としてあるべき姿だと思う。だが、その猶予すら与えてもらえない。 「でしょ?マジ、ヤバくないですかー?彼氏からこの書き込みを教えてもらって、あたし、目が点…」 「君のそういう話し方がさ、お客さんにも伝わってしまうんじゃないかな」 「でもですよ。言いたいことがあったら、なんで直接クレームつけてこないんですかね?」 「こんなの書き込まれたら嫌だろ?だったらまずは言葉遣いを直さなきゃ」 「だって『M銀行みなとみらい支店の向坂』って書かれても、誰も覚えてないですよ。気にしないことじゃないですか?あたしのこういう性格、彼氏も『好きだ』って言ってくれてます」 「それはそれは、どうぞご勝手になさって下さいね」