阪神の3億4000万円の新4番候補ロサリオは成功できるのか
それでも、ロサリオの成績について、評価したい点もある。 2016年、韓国プロ野球のストライクゾーンは狭かった。結果、打高投低となったが、昨年のWBCでは、得点力不足が最大の敗因となった。あのとき、国際ルールとのストライクゾーンの違いに打者らが戸惑った、などと言われたが、それを受け、2017年はストライクゾーンを広くした。当然、今度は投手有利となるはずだが、ロサリオの打撃成績は前年と変わっていない。これは、彼の適応力の高さを示しているのではないか。 ラフやバーナディナが打ちまくり、ノエシがリーグ屈指の投手として君臨している時点で、数字の価値は下がるものの、三振が少なくなっているのもいい傾向。2016年は16.9%で、17年は12.0%と下がった。また、四球を選ぶようになっており、出塁率もアップしている。 無論、阪神には、それ以上の裏付けがあって、獲得したのだろう。 なんといっても300万ドル(3億4000万円)をつぎ込むのである。 それでも、一抹の不安がよぎる。メジャーでの平均打率が3割3厘のグリーンウェルを獲得したとき、誰も活躍を疑わなかった。 ところが、蓋を開けてみれば、7試合に出場し、6安打、5打点、0本塁打。5月、自打球を右足に当てて骨折すると、“神のお告げ”により引退してしまった。 助っ人に絶対はないのである。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)