阪神の3億4000万円の新4番候補ロサリオは成功できるのか
ここからが本題になるが、まず目安になるのは、韓国を経由して日本でプレーした選手たちか。 野手に絞れば、ホセ・フェルナンデスとタイロン・ウッズの二人は、韓国にいたときと同等、あるいはそれ以上の働きを見せた。 メジャーでのチャンスに恵まれず、2002年に韓国のチームと契約したフェルナンデスは132試合に出場して、45本塁打、107打点を記録。早速、日本の球団が目をつけ、2003年から千葉ロッテ、西武などで11シーズンもプレー。最初の4シーズンはいずれも25本塁打以上を放った。 大リーグ経験はないが、1998年に韓国へ渡ったウッズは、5シーズンで174本塁打、510打点と安定した数字を残し、2003年に横浜へ移籍すると、2年連続でセ・リーグの本塁打王に。中日に移ってからも、2006年に47本塁打を放つなど、NPBの6シーズンで240発を放った。 ただ、そうした一方で、ヤマイコ・ナバーロは全くの期待外れに終わっている。 メジャーで目が出ず、2014年に韓国へ。2015年には48本塁打を放ち、韓国プロ野球の外国人最多本塁打をマーク。2016年、千葉ロッテと契約したものの、オープン戦の移動の際、バッグに実弾が入っていたとして逮捕されるなどいきなりつまずき、結局、82試合に出場し、打率.217、10本塁打、44打点という寂しい結果に終わり、1年で日本球界を去った。 では、ロサリオがどちらに転ぶのか。彼らにはないメジャーでの実績があるが、気になるのは、今の韓国プロ野球の投手のレベルである。 昨年の打撃タイトルを見るとダリン・ラフ(元フィリーズ)が124点で打点王になっている。得点王は、118点でロジャー・バーナディナ(元ナショナルズなど)だった。ラフは134試合に出場し、打率.315、出塁率.396、31本塁打、124打点、90得点をマーク。バーナディナも139試合に出場し、打率.320、出塁率.372、27本塁打、111打点、118得点と大活躍である。 ロサリオ同様、大リーグでは行き場を失った彼らが、スーパースターになっている時点で、全体的な投手のレベルに疑問が生じる。 参考までに投手のタイトルホルダーの顔ぶれも調べたが、あのヘクター・ノエシが20勝5敗、防御率3.48で、勝率1位。勝ち星では最多タイだった。 ノエシは、ヤンキースでデビューした後、2012年にマリナーズにやってきた。しかし、先発ローテーションを守れるような投手ではなく、マイナーとメジャーを行ったり来たりしているうちにいなくなった。 その後、2014年にホワイトソックスで8勝(11敗)を挙げたものの、翌年は未勝利。そんな投手が、韓国に移籍した2016年は15勝5敗で、昨年は20勝5敗と変貌を遂げている。これでは、打者のレベルも底が知れる。昨年、韓国がWBC(ワールドベースボール・クラシック)で惨敗したのは、実のところ、順当だったのかもしれない。