吉川議員は「一刻も早く説明責任果たすべき」岸田首相会見6月15日(全文2)
参院選で改憲の是非を争点とする考えは
毎日新聞:毎日新聞の高橋です。参院選の争点についてお伺いします。先ほど総理から少しお話はありましたけれども、総理はかねてから憲法改正に意欲を示されておりますが、この参院選でも改正の是非について争点として問うお考えはありますでしょうか。またその場合は、自民党は4項目の条文イメージを示しておりますけども、首相が優先すべき改正内容はどのようなものと考えておられますでしょうか。 岸田:まず憲法改正についてご質問いただきました。まず自民党は、ここのところ毎回、国政選挙においては憲法改正を公約の重点項目の1つに掲げ、柱の1つにしっかりと掲げて選挙を戦ってきました。今回の選挙においても、この選挙公約の重点項目の1つとして憲法改正をしっかりと掲げて選挙を行っていく、こうしたことを考えております。 そしておっしゃるように自民党は憲法改正に当たって4項目のたたき台素案というものを示し、憲法の議論をしっかりリードしていこうということで取り組みを進めてきたわけですが、この4項目は、これは自衛隊の明記の問題、緊急事態対応の問題、教育の充実の問題、あるいは参議院の合区の問題、すなわち投票の平等、重みの問題ですが、この4項目、これはどれも現代的な課題であり、国民生活を考えても、どれもしっかりと進めていかなければならない課題だと思っています。 よって、別にどれを優先するということは考えておりませんが、こうした自民党の考え方をできるだけ多くの国民の皆さんにご理解いただけるよう、選挙等を通じてもしっかり丁寧に説明をし、そして結論を出すべく、この歩みを進めていきたいと思っています。以上です。 司会:それでは次の方。中国新聞、樋口さん。
核軍縮をどう進める考えなのか
中国新聞:中国新聞の樋口と申します。核兵器のない世界について伺います。総理はかねて核兵器廃絶というのを、被爆地、広島選出の総理として掲げておられます。先の安全保障会議でもその重要性を訴えておられましたけれども、先ほど「新時代リアリズム外交」とおっしゃいましたけれども、まさに現実的な取り組みということで、8月にNPT再検討会議が開かれますけども、外相時代からNPTの必要性というのを訴えておられますが、この会議、総理、出席の方向で調整に入ったというふうに承知をしてますけども、具体的にこの会議でどのように核軍縮を進めていかれるお考えかというのをまず伺います。 併せて、今月、核兵器廃絶を巡っては、核兵器禁止条約の第1回締約国会議、オーストリアのウィーンで開かれます。こちらには、政府としては参加をしないということなのですけども、なぜこの会議に参加をしないのか、この考えをあらためてお聞かせください。 岸田:まず1点目のNPT運用検討会議ですが、このNPT運用検討会議は核兵器国と非核兵器国双方が参加する、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であると思っています。核兵器のない世界に向けた道のり、昨今のウクライナ情勢、あるいは北朝鮮の情勢等を見ても、大変道のりは厳しいものを感じていますが、ぜひこの8月のNPT運用検討会議、前回の運用検討会議は私自身、外務大臣として迎えましたが、その際に成果文書をまとめることができないなど、大変残念な結果に終わりました。今回はぜひ意義ある成果が収められるように、政府としても全力で取り組んでいきたいと思っています。 出席について調整に入ったというふうにご指摘がありましたが、今現在、まだ具体的にはNPT運用検討会議、誰が出席するのか、これは政府としてはまだ決定はしていない、公表はしていない、こういった状況です。ただ成功に向けてどうあるべきなのか、これは真剣に考えていきたいと思っています。 2点目の核兵器禁止条約に日本が参加をしないということについてですが、これは従来から申し上げておりますように、核兵器禁止条約、これは核兵器のない世界を目指す上で出口に当たる大変重要な条約であると認識をしていますが、今現在、核兵器国は1国もまだこの条約に参加していないという状況でありますので、日本としてはまずは唯一の同盟国でありますアメリカとの信頼関係の下に、現実的な核軍縮・不拡散の取り組みを進めるところから始めていくべきだと考えています。