米不足で露呈した「日本の農政」の異様さ…「日本の米に未来はない」と専門家が断言する、衝撃の理由
自給率は「見た目の数字でしかない」
カロリーベースの自給率は約38%だが、「見た目の数字でしかない」という。 野菜自体の自給率は80%あるが、種を計算に入れると、真の自給率は8%しかない。種は日本の種会社が売っているものの、約9割は海外の企業に生産委託しているのが現状だ。(『世界で最初に飢えるのは日本』より) 卵はどうか。 鶏の卵は(中略)97%を自給できているが、鶏の主たるエサであるトウモロコシの自給率は、ほぼゼロである。(中略)そもそも、鶏のヒナは、ほぼ100%輸入に頼っている。(『世界で最初に飢えるのは日本』より)
日本の食生活の「危うさ」
日本は「美食の国」といわれている。本当に美食の国と呼べるのだろうか。 「料理人の腕はあると思いますが、野菜の種もヒヨコもエサも化学肥料もほぼ全部輸入。イタリアのように地元産の食材を大事にし、おいしい料理を作るのが本来の姿。日本の食生活は、非常に危ういと思います」 食材がどこから来ているのか、農薬の問題も含め、食材にどれだけリスクがあるのか。そういうことも含めて考えると、単においしいだけではすまされない。 「農は国の本なり」。食料危機が到来し、農の価値がさらに評価される時代が来ている。今を踏ん張れば、未来が拓ける。(『世界で最初に飢えるのは日本』より) 「美食の国」の民として、現状を直視し、考えるべき時代が来ている。選挙へ行こう。
中島 茂信(フードライター)