【コラム】K防疫? 日本・中国が開発したmRNAワクチン、韓国は大幅な遅れ(2)
◆文在寅政権で判断を誤ったワクチンプラットホーム 政府はようやくmRNAワクチンの開発に力を注いでいる。新型コロナ事態は一段落したが、次のパンデミックが近づく時に迅速にワクチンを開発して国民の生命を保護するにはこの技術が必要だというのが、疾病管理庁の説明だ。がんや希少疾患の対処にもmRNA技術が必須という。昨年のノーベル医学生理学賞にmRNA開発の主役が選ばれたのもこのためだ。 政府は来年の予算案に290億ウォンを新規編成し、mRNAワクチンのプラットホーム確保に注力する計画だ。前政権のワクチン事業関係者は「我々のmRNA技術は相当なレベルにあり、新型コロナワクチン開発研究を通して大きく進展しただけに、持続的に投資すれば成果を出せるはず」と話した。 食品医薬品安全処によると、国内の一部の製薬会社もmRNAワクチン臨床試験を進めてきた。キュラティスとSTファームは第1相、アイジンは第1相と第2相の臨床試験をした。政府はその間、新型コロナワクチン臨床試験の支援に2500億ウォン以上の予算を投入した。 ◆韓国企業もmRNA第1・2相臨床試験 mRNAワクチン開発環境を把握するため4日午前10時ごろ、済州市の韓国ビーエムアイ工場を訪問した。第2相に入ったアイジンの試験用ワクチンを作った生産ラインだ。ワクチン設備を参観するためには防疫服を着なければならなかった。mRNA原料を混ぜる過程とこれを小さな容器に入れて試験用ワクチンを作る現場は防疫服を着ても入れず、ガラス越しに見なければならなかった。このように作られた試験用ワクチンをマウスとサルに注射する非臨床試験をし、人を対象にした第1、2相試験はオーストラリアなどにワクチンを送って進めたという。工場関係者は「第3相まで成功すればここでも量産が可能」と説明する。 しかし第2相、3相をすべて終えて製品化するには無数の試行錯誤を経て長い時間が必要というのが専門家らの説明だ。政府関係者は「これ以上は遅らせることができない状況であり、非臨床から最終製品開発を目標に始める」と話した。 疾病管理庁は製品の開発まで約5300億ウォンを投入する計画だ。mRNAの効用が浮き彫りになり、大手製薬会社も動き出す準備をしている。SKバイオサイエンスがmRNAワクチン開発に参入すると予想され、緑十字とSTファーム、韓国ビーエムアイなども参加が予想される。アイジンはRNA専門家、米オレゴン保健科学大のクォン・ソンジョン元教授を研究所長として迎えた。 疾病管理庁のイ・ジョンミン感染病研究企画総括課長は「これまで臨床などを通してmRNAの要素技術を開発しただけに、今回は製品化を目標に非臨床試験の4つの課題から支援していく計画」と話した。 ◆「中国、急速にワクチン発展」 政府から新・変種感染病mRNAワクチン事業団長を引き受けたホン・キジョン韓国型ARPA-Hプロジェクト推進団PM(嘉泉大学教授)は「わが国のワクチン技術は優れていて、過去2年間にmRNA研究も蓄積された」と述べた。 --前政権で運営してきたワクチン関連事業団が現政権になって中断された。影響はないのか。 「推進団ごとに差はあるだろうが、その間の成果を疾病管理庁が受け継いで進めるはずだ。そこに意見も出して参加する。STファームやアイジンがmRNA臨床も進めて経験を積んだ」 --日本はすでにmRNAワクチンを開発した。 「この10年間ほど、日本は感染病やワクチンで韓国に劣らないが、大きな差があるとは思わなかった。韓国がかなり追いついて、一部では日本を上回る部分もあると考えていた。ところが今回、差が表れた。調べたところ、第一三共などmRNAの開発に1兆6000億ウォン以上も投入された。我々は500億ウォンほどだった」 --中国のmRNAワクチン開発はどう評価しているのか。 「ワルバックスのワクチンを見ると、中国に驚くと言うしかない。実際、中国は開発過程など分析があまりできない。MERS以降も中国のバイオ製品はそれほど優れているという感じはなかったが、急速に発展している。いつ米国や日本、欧州に追いつくかという感じだ」