なぜレンジャーズは1年目2億7000万円、2年目3億8000万円の段階契約で日ハムの有原航平を獲得したのか?
日ハムからポスティングによるメジャー移籍を目指していた有原航平(28)が交渉期限ギリギリとなる25日(日本時間26日)にテキサス・レンジャーズと2年契約を結んだ。メジャーの公式サイトによると、有原は、2021年に260万ドル(約2億7000万円)、2022年に360万ドル(約3億8000万円)を受け取り、日ハムへ支払われるポスティングフィーは124万ドル(約1億2800万円)で、総額744万ドル(約7億6800万円)の契約となった。 スポーツメディアのジ・アスレチックスによると有原に対して複数のチームが興味を持ち、ボストン・レッドソックス、サンディエゴ・パドレスとの争奪戦となっていたという。 なぜレンジャーズは有原を獲得したのか? レンジャーズは、日ハムと業務提携を結んでいるチームで、現シカゴ・カブスのダルビッシュ有が所属するなど日本球界との縁は深い。今季は22勝38敗でア・リーグ西地区で5位に沈んだ。2020年の先発ローテーションの防御率は5.32はメジャー24位。イニング数も14位と悪く、投手力強化が補強テーマだったが、勝ち頭の6勝をマークしたエースのランス・リンをシカゴ・ホワイトソックスにトレードで放出したためイニング数を任せられる先発投手の補強が急務だった。 メジャーの公式サイトの取材に対し、レンジャーズのジョン・ダニエルズ編成本部長は、「有原の加入は先発ローテーションの層に厚みをもたらす。彼は日本で2019年にブレークアウトし過去6年に渡って成功を収めた。我々はメジャーで、さらに多くのものがもたらされると考えている。2020年に130イニング以上を投げた事実は60試合シーズンで投球イニング数が減っていた先発投手のことを考えると非常にプラスとなる」とコメントした。 有原への期待は大きく、メジャーの公式サイトは「有原のベストシーズンは24試合に登板して15勝8敗、防御率2.46、0.92WHIP(投手指標)を記録した2019年だった。9イニング平均で8.8三振を奪った。有原は平均90マイル前半(140キロ台後半)の直球とチェンジアップやスライダーを投げる。彼は米国に渡ってきた他の日本投手のように圧倒的だとは考えられていない。だが、彼は、カイル・ギブソンやジョーダン・ライルズと共にレンジャーズのローテーションの1人として期待されている。その他のローテー候補は左腕のウェス・ベンジャミンやコルビー・アラード、右腕のデーン・ダニングになる」とレンジャーズの獲得理由を分析した。