米保険会社CEO殺害で拘束された男、訴追手続きで州裁判所に出廷
(ブルームバーグ): 米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループ幹部殺害事件を巡り、容疑者として名前が挙がっていた男が9日、5日間にわたる捜索の末、ペンシルベニア州で拘束された。
ペンシルベニア州裁判所が9日遅くに発表した刑事告発状によると、違法な銃の所持や偽造身分証明書の使用など五つの罪状で訴追手続きが開始され、男は同州ホリデーズバーグの裁判所に出廷した。
ニューヨーク市警はこれに先立ち、男は殺害事件とは無関係の銃に関する罪状でペンシルベニア州で拘留されていると発表していた。
拘束されたのはルイジ・マンジョーネ(26)。同州アルトゥーナのマクドナルドでの食事中に従業員に通報された。警察によると、男は声明文書と複数の偽造身分証明書のほか、ニューヨークで4日早朝に発生したユナイテッドヘルスケアのブライアン・トンプソン最高経営責任者(CEO)殺害事件で使用されたものと同様のサプレッサー付きの「ゴーストガン(幽霊銃)」(未登録で追跡が困難な銃)を所持していたという。
ニューヨーク市警のジェシカ・ティッシュ警察本部長は9日の記者会見で、男の所持品から見つかった文書は男の「動機と心情」の双方を物語っていると述べた。
事情に詳しい関係者によると、この文書は利益を優先するヘルスケア企業を批判する反資本主義的な内容だったという。文書からは、男が単独犯で資金は自費でまかなっていたことがうかがわれるとしたものの、関係者は詳細は明かさなかった。
男の最新の住所はホノルルだが、警察によると、メリーランド州生まれで逮捕歴はない。
男の名前と特徴が一致する人物のリンクトインのアカウントによると、男はペンシルベニア大学でエンジニアリング、コンピューター、情報科学の学士号と修士号を取得。現在は消費者向けに自動車関連データや価格情報を提供するトゥルーカーでデータエンジニアとして勤務していた。
原題:Police Arrest Person of Interest in Killing of Insurance CEO (2)、‘Person of Interest’ in CEO Slaying Charged Over Gun, Fake ID(抜粋)