心の病「醜形恐怖症」同級生の一言で…“顔が醜い”と思い込み何度も整形『every.特集』
■“容姿を軽蔑”する言葉から
発症したきっかけは10年前、中学校の同級生の言葉でした。 真緒さん 「男の子に『顔がブスだね』と言われてすごく傷ついて、それがきっかけでものすごく鏡を見るようになった」 同級生から言われた“容姿を軽蔑”する言葉。それ以降、顔に不安を抱くようになりました。当時、真緒さんが書いた日記。 「今の私はブサイクで、自分のことあんまり好きじゃないし、自信ないし」 「私は可愛いくない。ブスは生きるイミがない」 誰にも言えず、一人で追いつめられていました。その後も、顔への不安はなくなることがなく、写真に映る自分の顔が嫌で、自ら塗りつぶしたことも…
■整形を繰り返す娘「病気では…」
5年前からは、目を二重にしたり、鼻を高くしたりする整形を繰り返すようになりました。 “娘は病気なのではないか”――2024年の夏、母親がテレビで醜形恐怖症の番組を見て、医師に相談。母親は10年間、真緒さんの悩みに、気づいてあげられなかったと話します。 真緒さんの母親 「(娘の悩みに)気づきませんでした」 「ただ…中1か中2のときのお誕生日プレゼントで、顔の両方が同じに見える鏡を『これが欲しい』と言って」 「いまだにずっと外から戻ってきてはその鏡で顔のチェックをしている」 母親は、真緒さんが不安にならないよう、普段から“他人の容姿を褒めない”ようにしています。
■患者の考え“受け止める”カウンセリング
現在、真緒さんは、都内にある精神科で定期的にカウンセリングを受けています。 原井クリニック 原井 宏明 医師 「先週3連休だったじゃない。土日も(外に)出た?」 真緒さん 「家族と出かけていました」 この日、真緒さんは医師に“あること”を打ち明けました。 真緒さん 「(別のクリニックで)ヒアルロン酸を顔に打ちに行くんですけど、まだ家族には言っていなくて…」 原井医師 「それはどうして?」 真緒さん 「(整形を)しないと約束したんですけど、結局何回もやっているので言いづらい」 「(親が)知っちゃったら悲しんでしまうかな」 顔のしわを目立ちにくくするためのヒアルロン酸の施術を受けたいという真緒さん。 原井医師は、患者の考えを否定することは逆効果なため、中立な立場で受け止めることが大事だと言います。