厚生年金「月額10万円以下」の人は何パーセント?低年金者向け給付金「年金生活者支援給付金」も解説
厚生年金「月額10万円以下」の人は何割いるの?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに作成した上記の資料から算出すると、月額10万円未満の方は約26%でした。厚生年金受給者の5人に1人が月額10万円未満であると予想されます。 月額30万円以上の厚生年金を受給している方がいる反面、月10万円未満の年金で生活をやりくりしなければならない高齢者がいるのも現実です。 前述したように政府は低所得者への支援を強化している最中ですが、ほかにも多数の経済支援を実施しています。 今回はその中の1つである「年金生活者支援給付金」を紹介します。
低年金世帯向け給付金「年金生活者支援給付金」とは?
年金生活者支援給付金は、一定の基準額に満たない年金受給者を対象に実施されている給付金制度のことです。給付金は公的年金に上乗せして支給されます。なお、年金生活者支援給付金には、以下の3つが存在します。 ・老齢年金生活者支援給付金 ・障害年金生活者支援給付金 ・遺族年金生活者支援給付金 今回は老齢年金生活者支援給付金に絞って、支給要件や平均支給金額を解説していきます。 ●老齢年金生活者支援給付金の要件 ・65歳以上で老齢基礎年金(国民年金)を受給している ・請求される方の世帯全員の市町村民税が非課税である ・前年の年金収入金額と、そのほかの所得の合計が合計額が1956年4月2日以後に生まれの方は78万9300円以下、1956年4月1日以前に生まれの方は78万7700円以下であること 前年の年金収入には、障害年金や遺族年金などの非課税所得は含まれないので注意が必要です。加えて、1956年4月1日以前と1956年4月2日以後に生まれた場合で、合計所得金額が異なる点もおさえておきましょう。 ●老齢年金生活者支援給付金の平均支給金額 ・全体平均:3930円 ・70歳未満:4528円 ・70~74歳:4057円 ・75~79歳:3815円 ・80~84歳:3778円 ・85~89歳:3816円 ・90歳以上:3902円 老齢年金生活者支援給付金の平均支給金額は3930円です。平均金額は月額で記載されているほか、実際に支払われるのは原則年6回と定められています。 そのため、受給月額が3930円の方なら「3930円×2ヶ月=7860円」が2ヶ月に1度支払われる仕組みです。