独立リーグの茨城アストロプラネッツはなぜ2年続けてNPBドラフトで支配下指名されたのか?
さらに、トレーニング数値は「懸垂26回」「スクワット200キロ」、今季の成績は「盗塁21」、能力として「スイング速度は最速117キロ」「盗塁のタイムは3.2秒台前半」などと目立つように明記されている。球団のスカウティングレポートを見ると、アピールポイントが一目瞭然なのだ。 こうした取り組みが実を結んで陽が楽天に5位指名された一方、ソフトバンクに育成3位で指名されたのが捕手の大友宗だった。 「大友を支配下で行かせられなかったのは痛恨の極みです」 色川GMは苦虫を噛み潰すように語った。実力を考えると、支配下で指名される確信があったからだ。 【育成指名は痛恨の極み】 大友は帝京大学、日本通運を経て今年アストロプラネッツに入団。日本通運では先輩のレギュラー捕手の陰に隠れてチャンスがなく、トライアウトを受けてBCリーグで野球人生を賭けた。 「投げる、走る、打つことに対して、あれだけのツールを持っている選手はこの先、独立リーグに来るのかなって思うくらいです」(色川GM) 大友にとって25歳で迎える今年のドラフトは、年齢的に考えればラストチャンスになるかもしれない。 そうして臨んだ今季はBCリーグ開幕前、色川GMがアメリカで主宰するトラベリングチーム「アジアンブリーズ」に参加して武者修行の旅に出た。それからBCリーグに参戦し、トータルで約80試合に出場。社会人時代からプレー機会が大幅に増え、実戦の中で成長した。色川GMが説明する。 「キャッチャーのセカンド送球もよくなったし、打席でのボールの見方、アプローチの仕方も改善されました」 アストロプラネッツがNPB球団に渡したスカウティングレポートを見ると、ポップタイム(投球を捕球してから送球が二塁や三塁に到達するまでの時間)は1.89秒。色川GMによると、それからドラフトまでの期間に1.82秒が計測されたという。