ハイテクスニーカーブームの直前に生まれた、 コアなファンからも支持を集める NewBalance(ニューバランス)「998」の魅力とは?
最後に「ニューバランス」が「998」にかける想いを国井さんに解説してもらうと、こう答えてくれた。 「“MADE in USA”は“クラフトマンシップ”とか“オーセンティック”というキーワードに重きを置いています。ブランドとして原点(オリジナル)がないと、その他の応用が遊びに見えないと思います。 他のブランドはトレンドに寄りすぎて、オリジナルの商品が常に店頭になかったりします。オリジナルは数量を絞って希少価値を高めて品薄にしておいて、シーズナルの商品はどんどん打ち出してくようなイメージ。 ただ、『ニューバランス』においては原点が常に定番として君臨していて、お店でも買うことができるし、テディが監修したようなシーズナルの商品も展開されている……、まさに基本があって応用があるということをしっかりとやり続けている姿勢は魅力的ですよね。 かといって王道だけを突き進んでいるわけでもないので、懐古主義でもない。過去・現在・未来をコレクションと連動させてしっかり見せている部分は本当に素晴らしいと思います」 これまでシューズ業界を見続けてきた国井さんをも唸らせる「ニューバランス」のマーケティング力は目を見張るものがある。それは常にユーザーのことを考えた戦略であり、それがトップブランドとしてあり続ける所以なのだろう。