バルセロナが今季好調! 林陵平がその理由を深掘り解説「中央から攻撃できる」「むしろ守備がいい」
林陵平のフットボールゼミ ハンジ・フリック新監督率いるバルセロナが、今季開幕から好調だ。攻守において明確に変わった部分があるという。人気解説者の林陵平氏に分析してもらった。 【動画】林陵平が今季バルセロナの攻守のメカニズムを徹底解説 【動画】林陵平の解説フルバージョン「フリックはバルサをどう変えた?」↓↓↓ 【ボール保持しながら縦への速さもある】 今季のバルセロナ初期配置は4-2-3-1です。ビルドアップの局面では、ピボーテ(ボランチ)のふたりのうち、マルク・カサドがアンカーの位置に入り、ペドリが左のインサイドハーフの位置に少し上がって、トップ下のダニ・オルモが右のインサイドハーフを務めるような形になります。 ここで、相手にDFラインからカサドへのパスコースを切られた時に、ペドリが少し下りてきてあげて、カサドをサポートします。状況に応じてペドリが調整役となるのが今季の形かなと思います。 前線は、右と左で作りが違っています。左のラフィーニャはかなり中に入ってきて、1トップのロベルト・レバンドフスキとの距離が近くなり、セカンドトップみたいな形。空いた大外のレーンは、左サイドバック(SB)のアレックス・バルデが高い位置をとって担当します。 右はやはりラミン・ヤマルの1対1の突破能力を活かしたいので、基本は大外にいますね。右SBのジュール・クンデは、後方でサポートするプレーが多く見られます。 もともとバルセロナはボールを保持できるチームなので、相手がどちらかというとブロックを組んで守るケースが多い。しかし、今季のバルセロナの強さは、そうした引いた相手もすごく崩せているところです。 今までだとボールを持った時に、足元、足元へとつないで、あまり怖さがなかったんですが、そこでやはりハンジ・フリック新監督になって変わったのは、縦の速さです。ポゼッションだけではなくて、相手の背後を狙う。そこへアタックする選手がとにかく多いですし、配球もまずは背後からという狙いが見えます。 ラフィーニャが特に輝いているのは、この相手の背後への斜めのランニングがあるからです。もちろん右のダニ・オルモもライン間(相手DFラインとMFラインの間)にはいるんですけど、そこからやはり背後を常に狙っている。ボールを保持しながらも、相手の最終ラインへのアタックが常に行なわれているっていうのが、今季のバルセロナのよさかなと思います。