【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害を訴える女性検事が激白「正直言って憤り」検察庁の対応に「職員を守る気がない」(単独インタビュー全文掲載=前編=)
■尊敬していた元検事正と対峙「性犯罪をしない世の中にしたい」
Q そういった人物と対峙することに関して、改めて今どのように感じる? A 被害を受けた当初は、そんな人から被害を受けてしまって、自分自身もどうしたらいいのか分からなくなって混乱してしまったので、また自分の中では尊敬できる上司像がずっと残っていたので、彼を辞めさせてはいけないのではないか、それは検察にとって損失なのではないかということまで考えてしまった。こんなにひどい被害を受けてるのに。 だけど、段々時間がたつにつれ、彼の不誠実で、被害者の気持ちを一切、一顧だにしないような被害感情を逆撫でするような言動がずっと続きましたので、これは私が今まで思っていた人格者で尊敬できる検事の北川被告ではもうないのだと、もう全く別の人間なのだというふうに段々思うようになっていって、単なる犯罪者ではなく、法律などをまず守って率先して被害者を助けていかなければならない検事がこのような卑劣な行為をした犯罪者であり、許せないという気持ち。でも自分は処罰できなかったから、当初はすごくそこが悔しいというか、被害申告を早くしなかったことにすごく後悔をするようになっていっていました。 いま彼と対峙していますが、今はもうきちんと彼を処罰することが、私だけの事件の解決ではなく、性犯罪が法改正されてもなお連日報道されていますし、性犯罪が起きていますとか、同意があったと思っていましたと加害者が言っていますとか、現状が全く変わってないような気持ちでいるので、彼にきちんと処罰を受けさせて、性犯罪なんてことをしたらこうなるよということを皆さんに知ってもらって、性犯罪をしない世の中にしたいという、そこに尽力したいと思います。 検事として仕事ができないので、今は。具体的に困っていらっしゃる方の力になれないから、こういう発信によって私ができることをしていきたいなと思っていて、被害者としてやってることなので、だから検事で被害を受けた人だから言えることとして発信を続けることが苦しんでいる人の何か力になれたらという気持ちです。話すのはすごくしんどいし、つらいけれど、なんとか続けていけたらと思っています。 (つづく) ※後編では、女性検事が赤裸々に語った「検察庁内での二次被害」と「支えになっている家族の存在」、「性被害に苦しむ被害者への思い」をお伝えします。記事の配信は1月6日(月)午前8時の予定です。