反日投稿を大量削除「ナショナリズム」を焚き付けない当局の本音と日本人を守って死亡した中国人女性の実像
都市部でのギリギリの生活の先に
【出稼ぎ労働者の悲哀】 胡の人生は、中国の労働者階級が苦しむ経済的不安の縮図でもある。彼女は20歳で故郷の村を出て蘇州近郊に移り住み、紡績工場で働き始めた。工場の仕事を転々とし、46歳で解雇された。 家事代行会社で4年間、働いた後、20年に小さな商店を開いた。ネット販売の波に乗ろうともしたが、パンデミックに店ごと打ち砕かれた。 スクールバスの案内係の月収は約3000元(約412ドル)。物価の高い都市部ではギリギリの生活だ。また、彼女は他の移住者と同じように農村の戸口(フーコウ、戸籍)のままだった可能性が高く、蘇州の社会サービスを利用することはできなかったとみられる。 習近平(シー・チンピン)国家主席が掲げる格差是正のスローガン「共同富裕」とは裏腹に、パンデミックによって所得格差は先鋭化しているのだ。 From Foreign Policy Magazine