プロ野球の開幕決める条件は「政府、世論、無観客」
NPB(日本野球機構)とJリーグが共同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」が23日、オンラインで行われ、専門家チームから感染の現状報告と開幕に向けての提言があり議論が交わされた。専門家チームが提言したのは、「無観客」でのスタートで、開幕の日程については「政府、自治体、世論」の3つのバックアップがあることが条件とされた。NPBは、その提言をもとに、無観客を軸にした開幕プランを5月の連休明けには決定したいとしている。 この日の連絡会議で、専門家チームは、最初に新型コロナウイルスの厳しい感染状況を報告した。 愛知医科大学の三鴨廣繁教授は、所属する大学病院で、院内感染が起き、外来、入院の新規受け入れをストップしている現状を説明し、「医療従事者が、どれだけ気をつけていても感染が起きてしまう。我々に落ち度があったのかもしれないが、気をつけていても広がる、この感染症の怖さを身を持って体験した」と明かした。 座長の東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授も、「感染者数の増加は、鈍化傾向にあるが、(緊急事態宣言の効果の)解析データも、まだ十分ではない。5月6日以前に(政府の専門家会議から)規制緩和の基準が示されていく可能性があるが、翌日から解除の状況にはなかなかない」との厳しい見通しを明らかにした。それらの現状を受けて、専門家チームが提言したのが、「開催は無観客が妥当」というものだった。 その提言には、「日本とは状況が違う」(賀来特任教授)としながらも、無観客でスタートした台湾プロ野球と、5月5日から開幕する予定の韓国プロ野球の先例が影響しているという。 斉藤惇コミッショナーも、「こういう状況ですので、まずはテレビやネットで、お家にいる子供さんや皆さんになんとか伝え、国民の方々が元気になる、お役に立てるのなら無観客でもスタートしたいという気持ちがある」と、無観客開催を軸に6月以降に延期となっている開幕時期と方法を検討していく考えを口にした。この日、続けて開催された12球団の代表者会議でも無観客開催に反対意見はなかったという。