【インドネシア】12月の物価上昇率1.57%、通年は過去最低水準
インドネシア中央統計局が2日に発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI、22年=100)は106.80となり、前年同月比1.57%上昇した。伸び率は前月の1.55%からわずかに拡大し、9カ月ぶりに加速した。24年のインフレ率は同局の記録で最も低い水準となる1.57%だった。政府目標値の1.5~3.5%内で推移した。 CPIを構成する11項目のうち、「運輸」と「情報通信・金融」を除く全ての項目が前年同月から上昇した。上昇率が最も大きかったのは「パーソナルケア・その他サービス」の7.02%で、伸び幅は前月の7.26%から縮小した。次いで「外食」が2.48%となり、前月(2.40%)から伸びた。「食材・飲食品・たばこ類」は1.90%上昇した。 中央統計局のプジ次官(流通・サービス統計担当)は2日のオンライン会見で、12月のCPIの上昇はクリスマスや年末の休暇シーズンといった季節要因だと説明。過去5年間の毎年12月には「食材・飲食品・たばこ類」がインフレをけん引しているとも説明した。 価格変動が大きい食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は前月から横ばいの2.26%だった。 全国150地域別に見た12月のCPI上昇率は、山岳パプア州ジャヤウィジャヤ県が前年同月比5.36%で最も高かった。一方、ゴロンタロ州ゴロンタロ市がマイナス1.10%と最も下落した。首都ジャカルタ特別州は1.48%上昇した。 12月のCPIは前月比では0.44%上昇した。半年ぶりにプラスに転じた10月から3カ月連続で伸長した。 項目別では対象11項目の全てが上昇し、「食材・飲食品・たばこ類」が前月比1.33%で最も伸び幅が大きかった。次いで「医療」が0.35%上昇した。 民間銀行最大手バンク・セントラル・アジア(BCA)のチーフエコノミスト、ダフィッド氏はNNAに対し、食品価格が比較的抑制されていることや、購買力が低下していることからインフレ率は低水準で推移していると指摘。 また、25年1月のCPIについては「付加価値税(VAT)の税率の引き上げによる影響はほとんどない」との見方を示した一方で、通貨ルピア安の進行によるインフレ上昇を懸念した。 民間銀行バンク・プルマタのファイサル・マクロ経済・金融市場部門長は「VAT税率の引き上げによってCPIは全体として0.6~0.8ポイント上がる」と予測した。ただ、通年では3%未満で推移し、中央銀行が設定する目標値の1.5~3.5%内に収まるとの見方を示した。