【ビジネスの極意】「平準化」とは?|標準化との違い、ビジネスで重要な業務の平準化の進め方を解説
業務の平準化を図る効果
自社が平準化に対してどの程度時間をかけるかを検討する際には、平準化によって受けられる恩恵を知っておくとよいでしょう。ここからは、業務の平準化を図る効果を紹介します。 ◆業務の生産性が向上する 平準化によりリソースの無駄やムラをなくすと、組織全体としての生産性が上がると期待できます。なぜなら、リソースと業務量のバランスが適正化されていると、費用対効果を高められるからです。新たな設備投資やシステムの導入、人員の補充をせずに効果を最大化できるでしょう。 ◆不平等感が解消される 業務の平準化がされていると、従業員ごとに偏りがあった仕事量が均一化に向かいます。すると、仕事を多くこなしている従業員が抱いていた不平等感の解消が期待できるでしょう。 例えば、自分ばかり仕事をしていると感じるような、モチベーションが下がる事態を避けることができ、目標達成のために前向きな気持ちで業務にあたれます。 ◆変化に柔軟に対応できる 平準化が行われると、業務の属人化や従業員ごとの業務量に対する偏りを防げます。すると、一部の従業員がメインで業務を回していた時よりも、メンバーで負荷を均等に分散できます。 急な依頼や一時的な業務量の増加に対して柔軟に対応できるようになるため、業務が著しく滞ったりアウトプットの質が低下してしまったりする事態を避けられるでしょう。
業務の平準化を図る際の注意点
平準化を進める際には重要なポイントがあり、それをおさえておかなければ労力と効果が見合わなくなる可能性があります。ここからは、業務の平準化を進める際の注意点を紹介します。 ◆現状を正しく把握する 平準化を進めるためには、業務がいつ、どこで、どのように滞っているのかを正確に把握することで、アプローチの効果が表れやすくなります。 業務フロー表のような、可視化するための表を作成し、一連の業務の流れを記録しましょう。そのうえで細部を確認するという方法で、現状を正しく把握してから対処方法を検討することが重要です。そうすることで、効果の表れやすい箇所からアプローチできるでしょう。 ◆従業員の意見を聞く 日頃の業務を詳しく知らない経営層が作成する対処方法は、実態に見合わなくなっているケースがあります。 組織にきちんと作用する対策を立てるために、業務フロー表を作成したあとに従業員の意見も聞くようにしましょう。現場の従業員にヒアリングすると、平準化を進める過程で起こりうる課題も含めて検討できます。 ◆業務の質を低下させないようにする 業務は知識や経験、モチベーションが高い従業員に集まってしまうケースがあります。平準化のため従業員に対して均等に業務を与えるなかで、経験の少ない従業員に仕事が割り振られることで質が低下する事態を避けなければなりません。 OJTを機能させる、マニュアルを作成して業務を標準化させるなどの方法で、対応する従業員が変わっても品質を維持できるような仕組みを作りましょう。