センバツ開会式で国歌独唱の門脇早紀さん 春から東京芸術大へ
開会式では、島根県立松江北高の門脇早紀さんが君が代を独唱した。この春で同校を卒業し、東京芸術大に進学する。母校の制服を着て臨む、最後の大舞台。球場いっぱいの拍手を受けて「気持ち良かった。これほど大勢の前で歌うのは人生で一回きりだと思う。もうどんな舞台でも緊張しないかな」と晴れやかな表情で語った。 【写真特集】センバツ出場の知らせを受け喜ぶ選手たち 幼い頃から歌に親しみ、5歳で地元の合唱隊に所属。2023年の全日本学生音楽コンクール声楽部門高校の部で1位に輝いた。高校3年時のクラス担任は、02年のセンバツに松江北が21世紀枠で出場した際、主将だった西尾大樹さん。不思議な縁に独唱が決まると「甲子園は寒いからね」とアドバイスをくれた。 これまで歌い込んだ西洋の楽曲とは異なる音階や、長いフレーズの練習にも戸惑い、リハーサルではマイクを通して響く自分の声の反響の大きさに本番への修正を迫られた。 本番は大観衆に足が震えたものの、繊細でのびやかな歌声を響かせた。最後の一音を届けると、達成感で笑みが浮かんだ。「選手にも自分の頑張りを信じて楽しくプレーしてほしい」と願っている。【小坂春乃】