「水際対策の一層の強化を」 変異ウイルスのさらなる調査も要求―東京都医師会・尾崎会長
東京都医師会の尾崎治夫会長は11日、記者会見し、新型コロナウイルス対策として、変異ウイルスの海外からの持ち込みを防ぐ観点から、水際対策の一層の強化を政府に求めた。尾崎会長は、台湾を例に挙げ、「(入国者には)14日は必ず施設に入ってもらうとか、そういう厳しい対応をしている」「理想的に考えれば台湾のような形でやらないと、本当に防ぐことは私は難しいと思っている」と述べた。
尾崎会長は、年末年始に新規感染者が急増したいわゆる第3波の際には、症状が落ち着いた患者が、引き続きコロナ対応病院の病床にいる状態が続いたと指摘。その後の調整で「第4波になるにあたって、回復期の支援病院を200施設、ベッドとしては(約)1000。老人保健施設も頑張っていただいて、110の施設がそういった方を受け入れていいよと言ってくれている。宿泊療養も13施設、だいたい3000人の規模の療養が可能になってきている」と医療体制が変わってきたと説明した。 そして「こういう対応で第3波の時に比べると流れがスムーズになって、感染者の急増というのがなければ、なんとかこの第4波を乗り切れる見通しができてきたのではないかと思っている。この1週間は注意深く見ていかないと結論的なことは言えないと思うが、私どもとしてはそういう『明るい光』が見えてきているなという印象も持っている」と語った。 一方で、「変異株というのはやはり(イギリス型とも呼ばれる)N501Yに限らず、インドの株とか、また新しい未知のものが出てくるかもしれない。そういう中で、やはりしっかりした水際対策と、国内でどの地域でどういう変異株がどのくらい出ているのか、追跡できないと、感染症対策として十分とは言えない」と主張。 さらに、「(新しい)株がどんどん入ってくることを許してしまうならば、せっかくのワクチンによって新しい世界が開けるのが、もしかしたらまた遠ざかってしまうかもしれない。是非国には水際対策を一層強化していただ(きたい)」と求めた。 また、国内の変異ウイルスについても「40%とかそういう話ではなくて、できれば100%スクリーニングして、ゲノム解析をしっかりやっていくような体制を国、感染研だけではなく、大学、民間の検査機関をフルに活用して、連携して、是非そういった体制を作っていただきたいと思っている」とも語り、変異ウイルスの流行実態をより細かく調査する必要があると強調した。