第2第3のバフムートか 黙示録的光景のチャシブヤール
チャシブヤール、ウクライナ、5月2日 (AP) ― 数カ月にわたるロシア軍の容赦ない砲爆撃とミサイル攻撃で、戦争前には1万2500人が住んでいたウクライナ東部ドネツク州のチャシブヤールは破壊的打撃を被り、アパートにしろ個人宅にしろ、商業ビルにしろ自治体庁舎にしろ、無傷の建物は1軒もない。 緑の野原と森林に囲まれた廃墟に残されたのは、黙示録的な景観だけだ。この破壊は、同じように数カ月にわたる砲爆撃の末、双方に甚大な損害を出したバフムートやアウディーイウカを彷彿とさせる。 戦略上重要なこのチャシブヤールを占領すれば、ロシア軍はウクライナ軍の東部防衛の基幹となる他の都市を攻撃できる丘の支配権を得ることになる。 そうなれば、ウクライナ政府関係者によれば、早ければ今月中にも行われる可能性があるという、ロシア軍のより広範な攻勢への舞台が整うことになる。 ロシア軍は、チャシブヤールの劣勢なウクライナ軍に対して、歩兵と戦闘車両による波状攻撃をかけている。 弾薬不足で守勢に立たされたウクライナ軍は、米国と同盟国による新たな物資の補給を一日千秋の思いで待ち望んでいる。 中層アパート群は爆風で黒く塗りつぶされ、側壁には無数の穴が開き、一部はガレキの山と化している。住宅や市民会館は大きな被害を受けている。教会の黄金のドームは無傷で残っているが、建物はひどく損傷しているようだ。 4月29日に撮影され、AP通信が独占入手した映像には、大破した建造物に挟まれた道路の真ん中を歩く一人の男を除いて、兵士も民間人も映っていない。 ドネツク州知事がウクライナのテレビに語ったところでは、682人の住民がチャシブヤールに留まっているが、"非常に困難な状況 "で生活しているという。1年以上電気も水道もなく、人道援助が届くのはますます困難になる一方だという。 この徹底したこの破壊状況は、2年以上にわたる戦争を通じてロシアが採ってきた焦土作戦を浮き彫りにしている。 遅々としてはいるが、ロシア軍は着実に進撃しており、西側が供給する武器と弾薬以外にロシア軍の進撃を阻止する方法はウクライナには残っていない。 (日本語翻訳・編集 アフロ)