《ブラジル》墓から遺体引きずり出し冗談=不謹慎な少女の動画が犯罪に
ブラジル南部パラナ州ピラクアラ市で、10代の少女たちが墓から遺体を取り出して冗談を言う様子がSNS上で拡散され、その不謹慎さが物議を醸している。彼女たちは「興味本位で」その行為を行ったと説明しており、墓はすでに開いていたため、自分達たちは荒らしたわけではないと主張している。24日付G1サイトなどが報じた。 拡散された動画は、州都クリチバ市から約24km離れたピラクアラ市にある墓地で撮影され、「遺体をあざ笑っている」様子が映し出されている。警察によると、14~17歳の3人の少女は警察の聴取に応じ、自分たちが動画の主であることを認めている。彼女らには、故人への冒涜行為に類似した違反行為の容疑が疑われている。 事件を担当するジュリア・コルデイロ警部によると、少女らは「遺体のあった墓は元々フタが開いており、自分達が掘り起こしたものではない」と述べ、動画は1カ月以上前に撮ったため墓の正確な位置は覚えていないと供述している。全員の両親が事情聴取を受けた際、その行為を把握していると答えたという。3人の少女のうち2人は姉妹だった。 問題の映像を動画付きで報じる地元紙のX投稿がこちら
警察は20日にこの動画の捜査を開始し、未成年者に対する社会教育的措置を適用するために同市児童青少年裁判所に送致した。少女とその両親はパラナ州検察局(MP―PR)へ27日に出頭しなければならない。 ジュリアナ・ベルトルディ弁護士は「刑法には拘留と禁固の罰則があり、禁固の方が重い。遺体侮辱罪(vilipêndio a cadáver)の罰則は、生存している人々を侵害する名誉毀損罪(injúria)、中傷罪(calúnia)、誹謗罪(difamação)よりも厳しい。亡くなった人々の名誉を特に保護する必要があり、侮辱罪を特別な方法で規制している」と説明する。 遺体や遺灰への侮辱罪(vilipêndio cadáver ou suas cinzas)は死者に対する敬意に反する犯罪と定義され、ブラジル刑法第212条で罰せられる。もし彼女らが成人であった場合は、最高で3年の懲役刑に処せられる可能性があるという。 23日付オ・グローボによると、この犯罪は遺体への性的虐待や遺体画像のSNSへの流布など、さまざまな形で行われる可能性がある。昨年9月、連邦地裁は、2019年に飛行機事故で死亡した歌手ガブリエル・ディニズと、21年に同事故で死亡した歌手マリリア・メンドンサの検死写真を流出させた人物に有罪判決を下した。