どうなる?J1昇格…王手の徳島が足踏みも優位…2枠目を争い2位福岡と3位長崎が残り3試合で熾烈な勝負
劇的な同点ゴールが決まった直後に、逆転ゴール奪取へ向けてもっと、もっと選手たちを煽ってほしいとメインスタンドへ向けてジェスチャーを見せた福岡の長谷部茂利監督は、引き分けに終わった金沢戦を「大事な勝ち点1になる」とポジティブに受け止めながら、チームの原点を見つめ直した。 「厳しい試合になるのは予想通りだったが、簡単に許してしまった失点は余分だった」 総得点46はリーグ2位の徳島の66、同3位の長崎の60の後塵を大きく拝しているものの、総失点29は徳島の32を抑えてリーグ最少となる。22勝のうち実に「17」が完封であり、そのうち14試合を1-0のスコアでもぎ取ってきた。だからこそ9試合ぶりに喫した複数失点の原因を洗い直し、徳島との最終節を前にホームで京都、アウェイで愛媛FCと続く次節以降の連戦へ決意を新たにする。 長崎に象徴されるように、失うものがないチームは強い。ただ、福岡のように立ち返れる戦い方があるチームも簡単には崩れない。金沢戦のラストワンプレーではあわや相手の勝ち越し弾となる決定的なシュートを、スペイン出身の守護神セランテスがビッグセーブ。引き分けの価値を倍増させた。 「残り3試合。まずは先制点を取って、自分たちの形にもっていきたい。この(昇格争いの)プレッシャーを楽しみながら、サッカーがしたい」 試合後に遠野が声を弾ませた。最終的な決着はおそらく最終節にもつれ込みそうなJ1昇格争いは、3チームともに次節まで空く6日間で、オフを介してどのように疲労を取り除いていくのかも含めて、積み重ねられてきたそれぞれの総合力が問われる展開になってきた。 (文責・藤江直人/スポーツライター)