新NISAを始めたいのですが、「日経平均株価が暴落」のニュースで不安になりました。株価が下がっているうちは「損」をするから、始めないほうがいいですか…?
2024年8月、近年稀に見る大暴落が日経平均株価を襲いました。1日の終値は3万8126円でしたが、2日には終値3万5909円と2000円以上も下落。週明けの5日には3万1458円と4500円近い下げ幅を記録しました。 今年から制度改正された新NISAで資産運用していた人のなかには、この大暴落を受けて投資対象の評価額が大幅にマイナスになった人もいるでしょう。「これ以上損する前に投資をやめて現金にしないと……!」と不安に駆られている人も少なくないはずです。 ただ、今のタイミングで新NISAをやめてしまうのはおすすめしません。本記事では暴落でも新NISAをやめるべきではない理由と、暴落をチャンスに変える投資方法を紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
株価が急激に下落するのは投資のやめどきではなく「絶好のチャンス」の可能性がある
今回の暴落が生じたあと、ネットニュースやSNSでは、「新NISAはやめたほうがいい」「株価大暴落で新NISAは大丈夫か」といった内容が飛び交っています。 新NISAで資産運用をしていて、今回の暴落で評価額がマイナスになった人も多いはず。しかし、ネットニュースやSNSの書き込みを読んで不安になって投資している銘柄を売却するのは待ちましょう。評価額がマイナスになったからといって売却してしまうと損失が確定し、長期投資を始めた意味がありません。 むしろ、暴落時は投資商品を買い増す絶好のチャンスという見方もできます。例えば個別株では、売り上げも利益も上昇していて業績に何の問題もないのに、マーケットの暴落に引っ張られる形で株価が大幅に値下がりしている銘柄が見つかることもあります。 株価はいずれ業績や将来性を反映した価格に戻る可能性が高いため、暴落後の割安なうちに購入しておくことで、値上がり後は大きな利益を得られる可能性があります。
新NISAは現物取引だけなので暴落でもダメージは限定的
今回のような暴落で資産の大半を失ってしまうのは、差し入れた委託保証金額の約3.3倍の取引を行える「信用取引」をしている人です。現物取引と比べて最大3.3倍のリターンが期待できる反面、損失も最大で約3.3倍になってしまいます。 今回のような大暴落で予想と反対の値動きをした場合は委託保証金を大きく上回る損失が発生し、追加で証拠金の入金を迫られる「追証」が発生することもあるでしょう。 一方、新NISAは現物取引のみ可能であり、今回のような暴落があったとしても信用取引と比べれば損失は限定的です。