M&A失敗、業績低迷、社員続々退社はなぜ起こる?仕事がうまくいかない理由を解き明かす「ソース」に脚光
「上司に何か提案してもどうせ無駄」 「部下が思うように動いてくれない」 「社員が次々と辞めてしまう」 【全画像をみる】M&A失敗、業績低迷、社員続々退社はなぜ起こる?仕事がうまくいかない理由を解き明かす「ソース」に脚光 仕事やプロジェクトを進めるなかで起こりがちな問題の原因を解き明かし、解決に導く手法が脚光を浴びている。 イギリス人の経営コンサルタント、ピーター・カーニック氏が提唱した「ソース原理」だ。 ソース原理は、世界19カ国語に翻訳され、日本でもビジネス書としては異例の12万部を超えるベストセラーとなった『ティール組織』(英治出版)の著者、フレデリック・ラルー氏も注目。「もしこのソース原理を事前に知っていたら、必ず『ティール組織』で紹介していた」と評価し、リーダーの新たな役割としてたびたびソース原理の実践に言及しているという。 いったい、ソース原理とはどんなものなのか。 そのエッセンスをまとめた『ソース原理[入門書+探求ガイド]』が今年10月、英治出版から出版された。著者は、カーニック氏に師事し、自身の経営コンサルティング会社でソース原理を活用しているソース原理実践の第一人者、ステファン・メルケルバッハ氏だ。 発売に合わせて来日したメルケルバッハ氏と、『ソース原理』の日本語版を出したいと氏に直談判したという翻訳者の1人、青野英明氏に、ソース原理とは何か、またソース原理の実践による効果について聞いた。
最も大切なのは「自分の直感」
「世界はいま、行動を起こす人々を必要としています。私たち一人ひとりが自身の直感とアイデアを受け取り、それを実現するためにクリエイティブになり、周囲にエネルギーを広げていく。そこがソース原理の素晴らしいところです」 ソース原理の効果について、メルケルバッハ氏はそう語る。 そもそも「ソース原理」の「ソース」とは何なのか。 ソース原理について書かれたもう1つの書籍『すべては1人から始まる』(トム・ニクソン著)では、「創造の源」と訳されている。同書も翻訳(共訳)した青野氏は、さらにかみ砕いてこう説明してくれた。 「ソースとは、直感やひらめきから何かを受け取って、リスクがあると分かっていながらも一歩を踏み出した人のことです」(青野氏) ソース原理で最も大切なのがこの直感やひらめきだという。 「直感って、皆さん日常的に感じていると思うんですよ。シャワーを浴びているとき、ドライブしているとき、新幹線に乗ってぼーっと外を見ているとき。いろんなシーンでふと何か思いついて形にしようとする。それは人の自然な営みであり、ソースの根幹なんです」(青野氏) メルケルバッハ氏は、ソース原理を呼吸に例えて説明する。 「自分の内側からインスピレーションや直感、アイデアを受け取る。それは息を吸い込むようなもので、吸い込んだら吐いていきますよね。それと同じように、行動を通じて外に出していく。それがソース原理です」(メルケルバッハ氏)