もっと伝えたい タネまく楽しさ〈島田有紀子さん厳選 おすすめの春まき一年草4選〉
【おすすめの春まき一年草②】ニチニチソウ(ビンカ)'トコナツ'シリーズ
●開花期(観賞期)/7月上旬~10月下旬 ●タネのまきどき/4月下旬~6月中旬 ●タネのサイズ/小(※タネの大きさは著者の経験に基づく目安) ニチニチソウのなかでも、夏の暑さと病気に最も強い品種です。ニチニチソウは多湿になると疫病や立枯れ病が出やすいのですが、この品種は強健で病気の心配がほとんどありません。 草丈は70cm以上と一般品種に比べて高く、節間が広いので、風通しがよいです。降雨や水やりによる土の跳ね返り、葉への付着も少なくて済むので、いっそう病気になりにくい! 私はこの品種で病気が出たのを見たことは一度もありません。 膝くらいの草丈で、よく分枝してボリューム感があるので、ほかの品種と見た目も全然違って新鮮です。昔からある品種ですが、ニチニチソウの固定概念を捨てて楽しめます。 ★タネまきワンポイント 高温性なので、気温が十分に上がってからタネまきしてください。八重桜が葉桜になってからがまきどきです。雨に強い品種ですが、日当たりのよい軒下で育苗しましょう。
【おすすめの春まき一年草③】カンパニュラ・メジューム(メディウム)'メイ'シリーズ
●開花期(観賞期)/5月上旬~6月中旬 ●タネのまきどき/5月上旬~6月下旬、または8月中旬~9月中旬(温暖地) ●タネのサイズ/細。コーティング加工〈ペレット種子*〉により小サイズになる場合も(※タネの大きさは著者の経験に基づく目安) *ペレット種子:指先でつまめないほど微細なタネを、まきやすくするためにコーティングして大きくしたもの。タネまき後、コーティングが溶けるまで霧吹きなどで水分を含ませる。 カンパニュラ・メジューム(フウリンソウ)というと一般に二年草の代表格で、タネまきから1年では咲かない品種がほとんどです。ところが、この品種は生育が早く、一年草として育てることができます。5~6月にまけば翌年の5~6月に開花するのは一般的な二年草の生態ですが、8月中旬~9月中旬にまいても翌5~6月に開花します(一年草の生態)。春にまいたほうが株にボリュームが出ますが、夏まきしても翌春に咲くのは、画期的な育種の成果といえます。カンパニュラ・メジュームを家庭でタネから育てることは少ないと思いますが、これならやってみたい、と思える素晴らしい品種です。 草丈は約80cmで、切り花にしても、花壇の奥に配置してもよいです。長くて立派な花穂には存在感があり、育て上げて自慢したくなる品種です。 ★タネまきワンポイント 開花するためには、ある程度大きくなった株が冬の低温にあう必要があります。そこで春まきか夏まき(8月中旬~9月中旬)をして、冬までに株を大きく育てるのが、立派な花を咲かせるポイントになります。