もっと伝えたい タネまく楽しさ〈島田有紀子さん厳選 おすすめの春まき一年草4選〉
【おすすめの春まき一年草④】ケイトウ'ゆかた'
●開花期(観賞期)/7月上旬~10月下旬 ●タネのまきどき/4月中旬~6月中旬(温暖地) ●タネのサイズ/小(※タネの大きさは著者の経験に基づく目安) 最後は、羽毛ケイトウの極小品種です。開花時の草丈は10~15cm程度で、草丈のわりに花穂は大きく、インパクトがあります。3号程度の小鉢に1株で植えれば手乗りサイズでかわいいですし、多粒まき(3月号p.53参照)して集団美で楽しむのもおすすめです。多粒まきはデコレーションケーキのように華やかですよ。 短日性*のため、短日期のお盆あたりに多粒まきするといっそうコンパクトな姿になります。この場合、開花期は10月上旬~11月上旬です。もちろん、こんなに小さくはなりませんが、春まきもOKです。まく時期をいろいろと変えて遊んでみてください! *短日性:夜の長さが一定の時間よりも長くなると花芽の形成が促され、花を咲かせる性質のこと。この性質をもつ植物を短日植物という。アサガオやコスモス、ポインセチアなども短日植物。 ★タネまきワンポイント 直根性で移植を嫌うので、箱まきした場合は早めに移植しましょう。根を傷めないよう、ていねいに扱います。
編:どれもおなじみの草花ですが、それぞれこんな品種があるのか、と驚きました。 島:上記のほかに、コスモスもおすすめの春まき一年草です。後編では、コスモスのおすすめ品種や楽しみ方を紹介します! 島田有紀子(しまだ・ゆきこ) 広島市植物公園勤務ののち、フリーランスに。ぺラルゴニウム、ベゴニア、変わり葉ゼラニウム研究の第一人者。鉢花、草花をはじめ幅広い植物の栽培に精通。タネまきも大好き。著書に『12か月栽培ナビDo 花苗をふやす タネまき・さし木・株分け』(NHK出版)など。