D2C ブランドの買収による成長も鈍化。「量よりも質」を掲げる企業の買収戦略
ここ数年、複数のD2Cブランドを買収することでスケールメリットを享受してきたロールアップ企業にとって厳しい状況が続いているが、パターンブランズ(Pattern Brands、以下パターン)はその流れに逆らっているようだ。 同社はデザイン代理店のジンレーン(Gin Lane)として設立され、オープンスペース(Open Spaces)、オンセン(Onsen)、ガー(Gir)などのD2Cブランドを含んだポートフォリオへと成長し、2022年にはシリーズBで2500万ドル(約38億3000万円)を調達し、それ以降も自社のポートフォリオをゆっくりと構築している。 セラシオ(Thrasio)やウィンブランズグループ(Win Brands Group)などほかのロールアップ企業が強い逆風に直面するなか、パターンは順調に成長中だ。共同創設者で最高ビジネス責任者を務めるスーズ・ダウリング氏は米モダンリテールポッドキャストに出演し、これは同社のコアとなる買い物客に注力している結果だと語った。 「ポートフォリオ内の7つのブランド全体にわたって仕事をしているのであれば、その共通の基盤となるものを見つけだそうとすることが有益だ」とダウリング氏は話す。 この買い物客は社内で「ミア(Mia)」と呼ばれており、タオルブランドのオンセンからキッチン用品メーカーのガーまで、パターンの全ブランドが「ミアの1日におけるほんの一瞬をターゲットにして、それをどうすれば少しだけ特別なものにできるか」を目標にしているとダウリング氏は語った。 ダウリング氏によると、このようにひとつのタイプの買い物客に絞ることで同社は地に足のついた状態で注力し続けることができたという。「50や100のブランドを抱えるAmazonのアグリゲーターのいくつかが、そのやり方で同じようなシナジーを生み出すことができたという考えには異議を唱えたい」。 パターンは今のところ、買収すべき適切なブランドを見つけることと、成長のための最善の方法を見つけることに注力している。「今後12カ月から18カ月でいくつかの大規模な小売店とのパートナーシップを築きたいと考えている。これについてはとても楽しみだ」と同氏は言う。 対談のいくつかの要点を以下に紹介する。明瞭化のため多少の編集を加えた。 Subscribe: Apple Podcasts | Google Play | Spotify