D2C ブランドの買収による成長も鈍化。「量よりも質」を掲げる企業の買収戦略
パターンのブランドの選び方
「良いブランドは常に変わらない。その絶妙なニュアンスと、それに対する当社の理解は確実に進化してきた。そしてもちろん、当社のビジネスモデルも進化している。もともとは、ブランド育成からはじめた。オープンスペース(Open Spaces)は我々が育て上げたブランドだ。当社にとっては、パンデミックが大きく事態を一変させた。国外への出張ができなくなったため、工場の現場を歩き回って、この育成プロセスを直接視察することができなかった。しかし我々は、それでもブランドファミリーを増やしたいと考えていた。当時はこの分野で多くのことが起きていた。つまり、Amazonのアグリゲーターのことだ。我々はそこに非常に優れた機会があると話していた。しかし同時に、いくつかの課題も存在する可能性があることも予見していて、『代わりにこれをD2CやShopify(ショッピファイ)のようなやり方で実現しよう』と決めた」。
「ミア」とは誰か?
「当社が狙い、コアとする一般消費者は誰なのかと考えた。そして非常に明確な人物像を作り上げ、その人々をミアと呼ぶことにした。これがコアとなる共通の人物だ。そしてもちろん、それを補う数多くの人物も存在する。しかし、マーケティングチームにおいてこれを考えるとき、チームは「我々はミアのことをよく理解しているし、そのニーズを満たす方法もわかっている。そして、我々はミアにいくつものブランドを紹介するつもりだ」と説明することができるだろう。私は50や100のブランドを抱えるAmazonのアグリゲーターのいくつかが、そのやり方で同じようなシナジーを生み出すことができたという考えには異議を唱えたい」。
パターンの今後
「シリーズBの資金調達を実施した当時、我々は2つか3つのブランドだったと思う。それから我々は本当に慎重に、計画的にブランドファミリーを増やしてきた。当社にとっては、量よりも質が大切なのだ。しかし、この数年は心躍るものだった。当社はよりオムニ的に展開した。D2Cからはじめて、Amazonで何を販売するかについて非常に注意深く決定し、一部のAmazonビジネスと小売パートナーシップを強化しはじめた。今年は主に、現在のポートフォリオに含まれているブランドをどのようにして継続的に成長させるかに注力したいと考えている。今後12カ月から18カ月でいくつかの大規模な小売店とのパートナーシップを築きたいと考えている。これについてはとても楽しみだし、やる気満々だ」。 [原文:‘It’s really about quality over quantity’: Pattern Brands’ Suze Dowling on the new roll-up brand playbook] Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果)
編集部