渡辺雄太 日本バスケ協会VS八村問題に言及「関係がずっとよくなかったのは事実」も「悪者はいない」
バスケットボール男子米プロNBAのグリズリーズなどで6季プレーした渡辺雄太(30)=千葉J=が28日、都内で取材に応じた。八村塁(26)=レーカーズ=と、日本バスケットボール協会(JBA)の間で起こっている問題について「悪者は1人もいない」などと言及。問題のきっかけ、私見、トム・ホーバス日本代表監督(57)への思いなどを約15分間語った。 【写真】ホーバス監督の前に立ち、怒りをにじませる八村 目が怖すぎ 日本協会、ホーバス監督、八村、全てに寄り添える渡辺が、騒動を沈静化するために動いた。「臆測が臆測を読んで、事実と異なる報道がされている。NBA、日本代表で長年やってきた者として、客観的な事実を述べたい」。Bリーグの会見に出席後、自ら報道陣へ説明の場を設定。神妙な面持ちで口を開いた。 始めに「トムと塁の関係が、ずっとよくなかったのは事実」と告白した。きっかけは昨夏のワールドカップ(W杯)後の会見。「八村の五輪メンバー入りの可能性」を問われた指揮官が、八村からの連絡を待つ、いなくても五輪で戦えるチームを作る、という主旨の発言をしたことだった。 この言葉はW杯を戦った選手への敬意と、八村のエージェントのワッサーマンが本人との直接連絡を遮断していた背景があったから出たコメント。ただ八村にはリスペクトを欠くように伝わり、ホーバス監督への怒りに変わった。 そこから2人の関係は最後まで修復できず、パリ五輪を戦った。監督続投決定時も指揮官が八村と直接連絡を取れる手段はなく、事態はさらに悪化。そして今回の日本協会VS八村の構図が出来上がってしまった。 「ワッサーマンが塁にNBAに集中してほしくて、連絡を遮断してたことは僕も理解できる。だから悪者は1人もいない」(渡辺) 八村と日本協会の海を越えた“内紛”。多くの臆測が飛び交い、渡辺によるとホーバス監督は現在、精神的に疲弊しているという。「僕はトムが大好き。だから続投はうれしかった。もし、今回の件でトムが辞めたら、日本代表は崩壊していく」と危機感を示し、今後に向けては「中の人間が問題と向き合って、さらに強い日本代表をコートで見せていけたら」と語った渡辺。代表戦を何度も救った人格者の15分間の演説は、騒動の実態を明確にした。