【初心者向け】電装系DIYの第一歩、ギボシ端子の取り付け方
オープンバレル端子の圧着の手順
工具によりサイズ表記が異なる場合があるので、ここではエーモンの電工ペンチを例に解説します。ゼロから配線を作る場合、必要な長さに配線ケーブルをカットします。 これからは既存の線に加工する場合と同じで、まず使う端子に合ったスリーブを配線ケーブルに通します。 スリーブには向きがあり、多くは見て分かりますが、ギボシ端子のオスは分かりにくい形になっています。スリーブを見て、厚みがある方が配線ケーブル側、薄い方が端子側になるので間違わないようにします。 次に配線ケーブル端の被覆を工具を使って剥きます。配線ケーブルの太さにあった被覆剥き部で挟み(圧着時もそうですが、文字が書いてある面を自分に向けて作業します)、被覆ごと工具を引き抜いて剥きます。芯線に対し細い部分で剥くと芯線まで切ってしまうので注意。芯線の太さが分からない場合、芯線を切らないよう太めから試しましょう。 被覆を剥く長さは細かく言えば芯線を圧着するワイヤーバレルの長さ+1mm程度とされますが、5mmでまず問題ありません。被覆を剥いて出てきた芯線は、腐食や圧着時に切れる原因となるので、ねじらずそのままにしておきます。 そこに端子をセットするのですが、 1)芯線がワイヤーバレルの先から1mmほど出ている 2)被覆の先端がワイヤーバレルに掛かっていない 3)被覆がインシュレーションバレルの先から1mmほど出た状態 以上3つを実現した位置関係にすることが大切です。電気の導通を確保し、端子をきっちり圧着する上でとても重要なので入念にチェックします。
いよいよ圧着していきますが最初はワイヤーバレルから。電工ペンチの圧着部(ダイス)はサイズ別にいくつかありますが、使用する配線ケーブルの太さに合わせて使用部を決めます。オープンバレル端子用ダイスは一方がハートマークの上半分のような形になっているので、そちらに爪を向けて電工ペンチで挟んで端子を固定します。 端子と配線ケーブルの位置を整えたら電工ペンチを力強く握って圧着します。 太い配線ケーブルならこれでいいのですが、配線が細い場合、一度できれいに圧着するのは難しいので2段階で圧着します。まず適正サイズより1サイズ大きなダイスで作業し、爪が中心に向かってある程度カールしたら、配線の太さにあったダイスで挟み直して本圧着します。 このように作業することでワイヤーバレルをきれいに曲げしっかり芯線を押さえることができます。ワイヤーバレルの圧着は電気をちゃんと通す、端子を線に固定するという2つの目的があるので、電工ペンチを強く握ってワイヤーバレルの2つの爪がカールしながら芯線をしっかり挟み込み、引っ張っても端子が動かなくなるまで圧着しましょう。抜けてしまう場合、圧着(握る力)が足りない、使うダイスが合っていないのいずれかが原因です。 導通をさらに良くするため圧着したところにハンダを流し込むという手法も聞きますが、正しく圧着できていればハンダによる導通向上効果は無いうえ、配線ケーブルの柔軟性が失われ断線のリスクが高まるデメリットがあるので不要と言えます。 続いて被覆部を圧着していきます。電工ペンチにINSとあるダイスがあるならそれを使いますが、無い場合はワイヤーバレルを圧着したダイスより1~2サイズ大きなダイス(エーモンのギボシ端子&ペンチなら3.0用)を使い圧着しましょう。ここも配線ケーブルが細い場合、2段階で作業するのをおすすめします。